「溶連菌」にかかってから、体力が戻りません
- 8歳10カ月・男の子
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息子の体調がすっきりしません。病院では溶連菌(ヨウレンキン)といわれ、4日間抗生剤を飲み、回復したので登校したのですが、その週末にまた熱が出ました。運動会の練習もあったので、「軽い熱中症と体力不足のところへ風邪をもらったんでしょう」と診断され、薬を飲みましたが、微熱があります。溶連菌の再検査はしてもらいましたが、陰性でした。これでもかというぐらい走り回っていた元気な息子が、自宅でだらだらしていて、鼻血を出したりします。
体力回復を待てばよいのかと思い様子をみているのですが、一向に治る気配がありません。
- (ヨウコ さん)
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今回は、溶連菌感染後からの微熱や活気の低下の相談です。このような症状を起こす原因は様々で、悪性疾患など重篤(じゅうとく)なものから、不定愁訴(ふていしゅうそ/はっきりしない訴え)まで多岐にわたります。不登校が背景にあることも少なくありません。隠れた疾患の有無は確認する必要があるので、溶連菌検査以外にも検尿や血液検査などを考える必要があります。自宅で検温したものをグラフにつけて、かかりつけの病院で相談することをお勧めします。
微熱と活気の低下
微熱とは体温が37℃〜38℃の間で続くものを指します。幼児の場合は、もともとの体温が高いため37.5℃以上が目安になります。また、微熱の期間が1カ月以上続くものを病的な微熱とします。微熱が長引く原因は多く、悪性疾患(腫瘍や白血病のような血液疾患)、自己免疫疾患、腎疾患(腎炎やネフローゼ)、感染(様々な感染症があり、また感冒(かんぼう)を繰り返していることもあります)などが挙げられます。また経過を見ているうち、自然に良くなってしまうこともあります。
ただ、上記のような疾患があると活気の低下を来します。また貧血や甲状腺機能低下などがあったときも活気の低下が出ます。その他起立性調節障害や不定愁訴や不登校、心理的な問題があった時も活気の低下が出ることがあります。
確認が必要なこと
微熱に関しては、実際の体温は何度なのか、朝と夕方の体温はどうか、ということが必要な情報になります。また活気の低下に関しても、時間帯や曜日による変動があるのかということも事前に必要な情報です。これらを踏まえ、上記のような疾患が隠れていないかどうか血液検査を始めとした一連の検査が行われます。
血液疾患の中には鼻血が出やすくなるものもあります。止血までの時間や皮膚など内出血が出やすくなっていないかはお風呂の時など確認しましょう。
今回の場合
溶連菌感染後から、微熱と活気の低下が出ています。感染と運動会による疲労の可能性も十分ありますが、その他上記のような疾患はすべて候補になってしまいます。溶連菌から疾患を絞るなら腎炎(血尿、蛋白尿)の可能性も考える必要があります。この場合は検尿も必要になります。いずれにしても隠れた疾患がありそうなのか、なさそうなのか確認することが必要だと思われます。熱型(体温の日々の変動)をグラフに付けてもう一度かかりつけの病院を受診して相談することをお勧めします。
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