子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

夜中に起き上がり痙攣・・・心配です

お子さんの年齢と性別
3歳8カ月・男の子
症状の詳細

眠って2時間後ぐらいに急に起き上がって座っていたので、寝ぼけてるのかと思い「寝ていいよ」と声をかけて寝転ばせたら、つないでいた手がピクピクしだして痙攣のような感じになりました。
目は開いたままで一点をじっと見つめたまま、手がピクピクしていて、身体が硬直している感じでした。呼び掛けても返事はなく、そのあとはそのまま眠ってしまいました。
以前、高熱が出たときに痙攣は起こしたことがあり治療していましたが、今は熱が出ても痙攣を起こすことはなくなりました。今回のような痙攣は初めてで心配です。

(あっちゃん さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は痙攣(けいれん)に関する質問です。目を見開いて体が硬くなるという発作から、てんかんの可能性も考える必要があります。発熱時に起こる痙攣を『熱性けいれん』と言いますが(後述)、熱性けいれんとてんかんは別の疾患です。状況によっては脳波も一度検査したほうがいいでしょう。もし発作を繰り返すようなら、ビデオ撮影が出来ると診断の役に立ちます。まずは一度、主治医か小児神経を扱っている病院で相談することをお勧めします。

熱性けいれん

『熱性けいれん』とは、乳幼児期の発熱に伴う発作性疾患とされています(髄膜炎や脳炎のような中枢神経系への感染症は除く)。熱性けいれん自体は予後の良いもので、特別な治療を行わなくても年齢が上がると自然に発作を起こさなくなります。
熱性けいれんからてんかんへの移行を懸念される方もいますが、将来てんかんになることは少なく、取り立てて心配する必要はありません。

てんかん

熱性けいれんは発熱が誘引になり痙攣を起こしますが、てんかんの場合はそのような誘引なく発作が起きます。年齢や状況によっておこりやすい発作はありますが、最終的な診断は脳波で行います。また、脳波検査も一度で診断が確定しないことも多く、繰り返し検査が行われることが多いです。また初回発作の場合、抗痙攣剤を使わずに定期的な経過観察になる場合もあります。

今回の場合

今の段階で、てんかん発作かどうか断定することはできません。また、過去の熱性けいれんは無関係と考えましょう。仮にてんかん発作だとしても、一度の発作のみで即てんかんと診断が付かないケースも多々あり、かつ発作が一度だけの方も時々みられます。
いずれにしても、一度脳波検査を行ってみたほうが良いように思われます。もし発作を繰り返すようなら、動画があると診断に有用です。主治医、または小児神経を扱っている病院を受診して相談することをお勧めします。

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