顔を強打した後、頬のしびれを訴えます
- 7歳3カ月・女の子
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数日前、下校すると右側頭部の頭痛を訴えベッドに横になっていました。自分で起きて、食事もやっとの状態でした。宿題をやらせたのですが、いつもやっている足算・引き算の計算式が、いくら考えても数字が分からないというのです。特に熱もなかったので、早めに休ませて翌日は元気に登校しました。特に学校でも変わった様子はなかったようです。
数日後、下校するとまた頭痛を訴え元気がなく、そのままベッドへ。同じように右側頭部の頭痛と目の痛み、右頬から目にかけてのしびれ、字が曲がって見えると言い出しました。頭痛はしばらくして良くなったようですが、曲がった見え方やしびれは就寝まで続いて、目を閉じるとおかしいと言っていました。表情に左右差はありません。
これまで、風邪以外には頭痛を訴えたことがありませんでした。また、2カ月前に頬を柵で強打し、2センチぐらいのしこりができました。病院でCTを撮った際に、「骨膜の損傷ではないか」と言われ、様子観察。今は小さくなり、1センチほどです。打撲した1カ月後ぐらいから、時々頬がしびれる、不意に触ると痛みが走ることがあると訴えていました。
今回の一連の症状は、以前の外傷と関係があるのでしょうか。
- (reikorabi さん)
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今回は頭痛やしびれ、物の見え方の異常に関する質問です。不定愁訴(ふていしゅうそ/はっきりしない訴えのこと)のようでもあり、重篤な疾患のようでもあり、といった状態です。一度での診断確定は困難かもしれませんが、症状が多彩なため、しっかりとした診察や検査も必要だと考えます。以前の頭部打撲も念頭に置く必要があります。頭痛については、片頭痛のような一般的な頭痛の可能性もありますが、まずは一度小児神経を扱っているような病院(脳外科もあるとより良い)を受診することをお勧めします。
頭部外傷と血腫
以前の頬の打撲と頭痛が関連するとしたら、『慢性硬膜下血腫』のような状況を考えておく必要があります。慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後、1〜2カ月かけてゆっくりと頭の中に出血した血液が溜まり、脳を圧迫する病気です。この病気で、頭痛や吐き気などの症状を起こすことがあります。小児では比較的まれで、一般には中年以降の成人に多いとされていますが、可能性はあります。
頭痛を起こす疾患
小児の頭痛には様々な原因があります。片頭痛や緊張型頭痛のような“一次性頭痛”、髄膜炎や脳腫瘍、頭部外傷、急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん)のような脳神経疾患、副鼻腔炎などの“二次性頭痛”に大きく分けられます。
二次性頭痛の場合は注意が必要で、頭部のMRIやCTといった画像検査が必要になることもあります。出血の場合(上述の血腫も含みます)はCTが有用ですが、腫瘍や急性散在性脳脊髄炎などではMRIが診断に有用です。いずれにしても二次性の頭痛があるのかないのかを確認する必要があります。
今回の場合
頭部打撲との関連は画像的な検査を行わないと確定できません。また、今回は頭痛だけでなく計算や視力など、頭痛以外の症状も伴って出ています。心因性の疾患(心の問題)の場合もありますので、今回のような場合は詳しい検査が必要と思われます。このため、MRIなどの検査が行えるような小児神経を扱っている病院を受診することをお勧めします。脳外科領域の疾患の可能性もあるため、その病院に脳外科があるとなお良いと思われます。
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