子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

小さい頃から薬を服用・・・副作用は大丈夫?

時期
3年位前
お子さんの年齢と性別
5歳7カ月・男の子
症状の詳細

3年程前に、風邪を引いて小児科を受診した際、咳喘息と診断されました。その年は、風邪をひく度に痰がらみの咳がひどく、病院で吸入も行っていました。その頃から、キプレス細粒4mgを処方されるようになり、現在まで毎日飲み続けています。途中、もうそろそろ服用を止めてもいいか、という相談を主治医にしましたが、「最後の発作が起きてから2年間は飲み続けた方がいい」との事でした。この冬に喘息が起こらなければ、春には薬も止められるとの事でしたが、こんなにも長く服用し続けて、副作用などの影響はないのでしょうか。
息子にはダニやハウスダストのアレルギーもあります。また、寒くなってくると、今も痰がらみの咳が出ることがあります。

(くまもん さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は喘息予防薬の長期間の服薬に関する質問です。現在処方されている“キプレス”というお薬は、基本的に長期投与が可能なお薬です。副作用も特段気になるものはありません。喘息の予防薬は、「いつまで続けるか」ということに関して一定の基準はなく、症状に応じて対応するようになります。発作後2年間の使用に関してはお子さんの状態に合わせて、ということかと思います。

喘息の長期管理の目標と使用薬剤

喘息は気道の慢性炎症があり、発作的に気道狭窄(きどうきょうさく/気道が狭くなること)を起こして喘鳴や咳、呼吸苦などの症状を起こします。喘息治療の目標は、気道の炎症を抑えて無症状の状態を維持することです。
喘息の長期管理では吸入ステロイドや抗アレルギー剤などが用いられます。今回処方されているキプレスは、抗アレルギー剤に分類されるロイコトリエン受容体拮抗薬と呼ばれるものになります。これらの薬剤は基本的に長期投与が前提で、症状によっては投与期間が年余になることもあります。基本的に問題となるような副反応はないようです。

治療のステップ

喘息の長期管理は、もともとの喘息発作の重症度に応じて行われます。例えば、年に1、2回軽症の喘息発作が出る程度ならその時だけ治療薬を使い、毎月喘息症状が出てしまうようなお子さんならば内服や吸入ステロイドなどの予防薬を継続的に使う、というようになります。
コントロールが良好な状態が3カ月続けば、薬剤の減量を考えます。一方、比較的コントロールが良好で日常生活に制限がない状態でも、軽微な症状が続いている状態では薬剤の増量が検討されます。
このように、喘息の症状の程度によって普段の予防薬は減量(または終了)・増量されていきます。また、中止の明確な基準はなく、発作の出やすい時期や進級進学など個別の事情も勘案して決定されます。

今回の場合

現在使われているキプレスというお薬は“ロイコトリエン受容体拮抗薬”というもので、喘息の長期管理に用いる薬剤としては一般的なものです。長期服用が前提で、定期的に受診をして状態を確認されている場合は副作用も気にすることはないでしょう。
服薬終了時期に関しては各々の状態によって決まります。季節の変わり目は喘息が出やすいこともありますので、春に終了予定ならばそれまで継続でも良いと思われます。

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