足のシワの数が違うので“股関節脱臼”ではないかと心配です
- 2カ月半頃から
- 2カ月半・女の子
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足の内側のシワの数が違います。育児書に、「シワの数が違うと“股関節脱臼”の疑いがある」と書いてあったので心配です。
優しく足を開いてやると、左右の開きの違いは感じませんが、リラックスしている時はシワの多い右足のほうが開きが良いように思います。足の長さには違いがないように思いますが、見れば見るほど分からなくなってきます。1カ月健診では特に指摘はありませんでした。3、4カ月健診まではまだ時間があるので、今の時点で病院を受診するか悩んでいるのですが、行くべきでしょうか。
- (わんきち さん)
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今回は股関節脱臼に関する質問です。股関節に問題がない乳児でも、向き癖によって左右のシワが変わることはあります。が、股関節脱臼であれば太もものシワに左右差が生じることもまた事実です。仮に股関節脱臼であっても、生後半年以内に治療を開始すれば、将来的に影響の出ることは少ないとされていますが、早期発見に越したことはありません。足の開き方に左右の差がないのであれば、それほど問題ないのかもしれませんが、一度整形外科を受診することをお勧めします。
股関節脱臼
以前は、乳児健診で見つかる股関節脱臼は『先天性股関節脱臼(CHD:congenital dislocation of the hip)』と呼ばれていましたが、それが必ずしも先天的とは限られないことから、『臼蓋形成不全(DDH:developmental dysplasia of the hip)』と呼ばれるようになってきました。
この股関節脱臼は、股関節部分の大腿骨が脱臼している状態で、一般に女児の左足に多く見られます。3‐4カ月検診のチェック項目になっているので、その際に発見されるケースが多いです。特徴として、左右の足のシワの違い、足の開きが悪い、足の長さが異なる、といったものが見られます。発見が遅れた場合は、歩行開始の遅れや跛行(はこう:足を引きずって歩くこと)といった症状が出ることがあります。
股関節脱臼の検査と治療
検診などで股関節脱臼が疑われた場合、整形外科を受診することになります。レントゲンや超音波(エコー)などの検査を行い、脱臼の有無を確認します。新生児期は骨盤や大腿骨に軟骨成分が多く、診断が難しいこともあります(軟骨成分はレントゲンに写りません)。
診断が確定すると、まずは保存的な治療が行われます。多くの場合、『Rimenbugel法』という、股関節を開いて膝を曲げた状態に維持する措置を取ります。整復率は8割程度と言われています。
他には牽引治療や、場合によっては手術が行われることもあります。
今回の場合
股関節脱臼は、乳児早期に発見されることが望ましいものです。3‐4カ月検診の発見で遅いということではありませんが、生後2カ月で受診しても、もちろん問題ありません。受診して股関節脱臼がなければそれに越したことはないと思います。一度整形外科を受診して診察を受けることをお勧めします。
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