育児の専門家ぴっかりさんが、子育ての悩みにお答えします。

「接し方」の前に、「子どもの心を知ること」が先

よそ様の子どもが被害者、それも小さな子だとすれば、ママの悩みは深刻ですね。外に連れて行く時は、目が離せなくなる。かといって、ずっと家の中に閉じこもっているわけにもいかない。どう接すればよいのでしょうか？

接し方を考える時、まずは「子どもの中で、何が起きているのか？」ということを知る必要があります。それがないと、表面的な“対症療法”になってしまい、ひとつの問題が片付いたように見えても、形を変えてまた別の問題が出てきたりしますから。

上手な反抗、下手な反抗

「親を相手に、“反抗”という形で自己主張の練習をする」というのが反抗期です。でも、子どもの要求をすべて受け入れるわけにはいかないので、当然、親子バトルになります。でも、その中で子どもは、自己抑制を学んでいくのです。

自己主張の練習が上手な子は、親に向かって気持ちをぶつけてきます。親を叩きにくることもあるでしょう。ところが、物に向かって気持ちをぶつけたり（物を壊す、いたずらを繰り返す）、親以外の人に向かって気持ちをぶつける子どもがいます。これは、自己主張の練習が下手だからです。

相談のお子さんも、ママに対して気持ちをぶつけることを遠慮してしまうタイプなのでしょう。直接、ママに対して反抗できると、小さい子への乱暴も減っていくはずだと思います。そのためには、「他の幼い子を叩いた時」の接し方よりも、ふだんの接し方がポイントです。

叱ることと、甘えさせること

叱った時、反抗上手な子は、ママに向かって怒りをぶつけたり、泣きすがってきたりします。ですから、冷静に言い聞かせるだけではなく、子どもの感情が吹き出るようなホットな叱り方も必要です。

子どもが叩いたら、ママが手をつかんだり、体を押さえ込んだりして止めるとよいでしょう。子どもがママの手の中で暴れたとしたら、それはよいこと。気持ちの表現がママの方に向くのですから。ママを叩こうとしたら、それも手で止めてください。

あと、叱るだけではなく、甘えさせてあげることも大切です。反抗上手の子どもは、たいてい甘え上手なのです。“甘え”という自己主張が上手になると、“反抗”という自己主張も上手になっていくはずです。しっかり叱り、しっかり甘えさせてあげると、必ず良い方向に向かうと思います。

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