子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

インフルエンザのあと咳が抜けません。マイコプラズマでしょうか

時期
1週間ほど前から
お子さんの年齢と性別
6歳7ヶ月・男の子
症状の詳細

私からインフルエンザA型がうつり、タミフルを飲まずにアスベリン散、ペリアクチン散で経過をみました。熱は下がり元気にはなりましたが、ずっと咳がとれません。今かかっている小児科でもう一度診てもらうか、別の小児科に行くべきか悩んでいます。また、先月同じようにインフルエンザA型にかかった友人が、病院で診てもらった際、マイコプラズマウイルスの薬を処方されたと言っていましたが、うちもマイコプラズマの可能性があるのでしょうか?

(ミルルユッテ さん)
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ユンタ先生からの回答

インフルエンザの経過中は肺炎中耳炎などの合併症を起こすことがあります。特に鼻水などの風邪症状が遷延することはまれではありません。インフルエンザにかかったからといって、マイコプラズマに感染するわけではありませんが、その地域でマイコプラズマの流行があれば同時に感染する可能性があります。

インフルエンザの症状は

インフルエンザは、咳やくしゃみなどの飛沫とともに排出されたウイルスを吸入してしまうことによって感染します。インフルエンザの潜伏期間は2、3日と短いです。突然の高熱のほかに、咳や頭痛、咽頭痛などの症状が出ます。そのほかには悪寒、倦怠感、筋肉痛などがあります。また、気道の粘膜などが二次的に細菌感染を起こすこともあります。通常は1週間程度のうちに病状は軽くなります。

インフルエンザの診断は

喉を拭ったものからウイルスを分離したり、採血をして抗体価を調べたりする方法もありますが、日数がかかってしまいます。実際の外来では鼻腔粘膜を採取してインフルエンザの迅速診断キットを用います。この迅速診断キットの場合、発熱から検査までの時間が短いと、本当はインフルエンザにかかっているのに検査では陰性と出てしまうこともありますが、陽性の場合はまずインフルエンザと考えて良いでしょう。

インフルエンザの合併症は

小児に多く見られるインフルエンザの合併症は、肺炎と中耳炎です。インフルエンザウイルスによって損傷を受けた気道から、細菌が進入することによって二次的に肺炎などを発症することがあります。このように二次的に細菌感染を起こしている時は、抗生剤が必要になることがあります。このときに二次感染するものがマイコプラズマの場合もあると思います。

インフルエンザと肺炎とマイコプラズマ

マイコプラズマによる肺炎の場合も発熱や咳といった症状がでます。そして、マイコプラズマ肺炎では咳の出る期間が長くなることがしばしばあります。地域でマイコプラズマが流行しているような時は、インフルエンザの二次感染がマイコプラズマの可能性もあると思います。またマイコプラズマに対して使用する抗生剤は、他の細菌にも有効なので、合併症や咳の出方、症状の経過などを考慮して処方されていると思われます。

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