子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

ワクチン注射のあと、腫れとしこりができています

時期
注射を打って3日後
お子さんの年齢と性別
2歳1ヶ月・男の子
症状の詳細

先日、三種混合ワクチンの追加1回目の注射をしました。それから3日後、注射をした部分が赤く腫れてしこりもできてきました。触ると痛がります。普通にしていると機嫌もよく食欲もあり、熱などはありません。注射をして赤くなったりしたのは初めてでどうしたらいいのかわかりません。腫れがひく、いい方法はないでしょうか?一度病院でみてもらった方がいいでしょうか?

(二児のママ さん)
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ユンタ先生からの回答

三種混合ワクチンの副反応は局所への反応が最も多いです。通常は自然に消えていきますが、中には肘のところまで腫れたり、赤くなったりすることがあります。このような時には受診してください。それほどでない時は、腫れている場所に冷湿布をしてあげると楽になると思います。

三種混合ワクチンとは

破傷風、ジフテリア、百日咳に対する混合ワクチンです。通常、第1期の初回~3回までは1歳ごろまでに接種し、2歳ごろに1期の追加接種を行います。

ワクチンに含まれるものは

ワクチンには、免疫を刺激して体内で抗体を作るように促す「抗原物質」が含まれていますが、それ以外にも添加物がいくつか含まれています。ワクチンの種類や製造元などによっても異なりますが、三種混合ワクチンでは添加物としてアルミニウム塩やホルマリンなどが使用されています。これらはワクチンの有効性を高めたり、ワクチンを製造する過程で病原体を不活化したりする役割があります。

ワクチンの副反応は

どのワクチンにも言えることですが、ワクチンには副反応があります。ショックやアナフィラキシー、血小板減少性紫斑病などの強い副反応から、発熱じんましんなどの比較的軽い副反応もあります。また局所症状として、ワクチン接種部位が赤くなる、腫れ、疼痛などを起こすこともあります。1期追加接種の場合は、約4割のお子さんが1週間以内に何らかの副反応を起こします。また、三種混合ワクチンのようにアルミニウム塩が入っている場合、小さなしこりが1ヶ月くらい残ることがありますが、自然になくなります。

副反応が出た時の対処法

ショックやアナフィラキシーなどの重篤な症状は、緊急の対処が必要になります。通常このような症状は、ワクチン接種から短時間で出現します。そのためワクチン接種後は、30分から1時間くらいは気を付けて観察する必要があります。また血小板減少性紫斑病などはまれで、1000万人中で1人程度とされています。軽くぶつけただけで紫のあざができてしまうようなら、病院を受診してください。また接種部位の赤みや腫れ、痛みなどは自然に良くなってしまうことが多いです。症状が強い時は冷湿布などが有効です。腕の腫れがひどい時などは、冷湿布のほかに抗ヒスタミンの内服やステロイドの塗布などが有効です。いずれも日にちが経過すると改善します。痛みが強いようならば痛み止めも有効だと思われます。

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ユンタ先生プロフィール
1972年長野県生まれ。1997年某国立大学医学部卒業、2003年に医学博士取得。主な研究テーマは白血病と細胞周期。現在、地方中央病院の小児科勤務。元来の子供好きで、優しく丁寧な診察がモットー。子供は国の宝を信条として、 自身のサイト『 子供健康Q&A』とメルマガ『現役医学博士の小児科医が貴方のファミリードクター』でも子ども相談室を実施。その丁寧な回答ぶりで好評を得る。忙しい診察・研究のかたわら、2年に1回の沖縄旅行を楽しむ。
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