子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

熱中症になったら、どう対処すればよいでしょうか

お子さんの年齢と性別
3歳1ヶ月・男の子
症状の詳細

暑くなってきたので、なるべく炎天下では遊ばせないようにするなど気をつけるようにしていますが、もし熱中症になってしまったら、どのように対処したらよいでしょうか?教えてください。

(ふみママ さん)
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ユンタ先生からの回答

熱中症の予防は、まずは炎天下を避ける、水分をこまめに摂取するというところから始めましょう。熱中症になってしまった場合でも基本は同じです。水分を取らせて涼しいところで休ませましょう。それでも頭痛やめまい、嘔吐、多量の発汗などがある時、ぼーっとして反応が悪い時などは医療機関を受診するようにしてください。

体温の調節

体温は、体で熱を作ることと放散とのバランスでコントロールされています。体を動かすと筋肉で熱を作り、それを皮膚や呼吸、汗などで放散します。環境温が高い時、湿度が高い時は熱放散がしにくくなり、高体温になりやすいです。また閉め切った車内は15分で60℃まで上がってしまうほどですので、注意が必要です。

熱中症とは

通常ヒトの体温はほぼ一定に保たれています。しかし、高温や多湿の環境で体温が高温になったときに様々な障害が起きます。これらの総称が熱中症です。この中にはふくらはぎが痙攣(いわゆるこむら返り)する程度の軽症なものから日射病、熱射病のように重症度の高いものまで含まれます。

熱中症にならないために

熱中症自体は予防可能です。まずは衣類で調節しましょう。お子さんをくるみ過ぎたり、厚着にしすぎたりすると熱がこもってしまいます。季節に合った服装にしてください。

外で遊ぶ時は炎天下を避けるようにしましょう。遊ぶ時も日陰を選ぶ、休憩をしっかりとる、水分補給を欠かさない、といったことが必要になります。喉が渇いた時は脱水が進み始めている時なので、渇きを感じる前に飲ませるようにしてください。飲み物も水分に電解質や糖が含まれているもの(いわゆるスポーツ飲料)がよいでしょう。

また急に暑い環境に行くよりも、徐々に体を慣らしたほうが熱中症になりにくいです。日頃から少しずつ体を慣らすようにするとよいでしょう。

それでも熱中症になったら

重症度によって異なりますが、基本は水分摂取とクーリング(体を冷やすこと)です。大量に汗をかいたり、足が痙攣したりするようならば熱中症の初期段階です。休息、水分摂取、安静を意識しましょう。小さなお子さんでは難しいかもしれませんが、ストレッチなども有効です。

さらに重症度があがると、いわゆる日射病です。頭痛や吐き気、倦怠感、集中力の低下などが出てきます。この場合も家庭での対応は同様です。可能ならば水分を取らせて体を冷やしましょう。このときに保冷剤などを使うとよいでしょう。脇の下や足の付け根を冷やすと効果的です。体を拭いてあげると気化熱で体が冷えますのでこの方法も有効です。ここまでくると病院を受診したほうがよいでしょう。

さらに重症なものは熱射病といいます。体温(直腸などの体の中の温度)が41℃を越えてしまいます。日射病と同様に体を冷やし、急いで病院に連れて行ってください。

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