「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

014.友達と喧嘩した息子の気持ちをどうくんであげたらよいでしょうか

はるはるさんからの相談 4歳3ヶ月の男の子

幼稚園から帰宅した息子を抱っこして、気持ちを聞いていると、「もうだれだれちゃんとは遊んであげない!」「だれだれちゃんはあっち行け!入れてあげない!」などと言うようになりました。喧嘩しているんだろうな、と想像はつくのですが、どのように声をかけてあげたらいいのか迷っています。

大人であれば、自分の感情のまま言葉にして気晴らしができますが、子供に、「〇〇ちゃんが嫌いなのね〜」とか「殴ってやりたいね〜」とか、気持ちを言葉にして慰めると、そのまま幼稚園で行動に表すのではないかと心配です。でも子供が訴えてきた気持ちを「そんなこと言うもんじゃない」と言い切るのも子供の気持ちを受け止めていないような気がします。こういう場合はどのようにしてやればいいのでしょうか?

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ぴっかりさんからのアドバイス

「お母さんの共感の言葉は、子どもに勇気と成長の原動力を与える魔法の言葉だ」ということは、このコーナーでも、繰り返しお伝えしています。それは子どもも大人も同じですね。お母さんだって、「グチを言わずに子育てしろ!」と言われるとつらいもの。でも、グチに共感してもらえたら、ちょっと気分を取り直して、またがんばろうという気持ちになりますね。

だけど、こんな場合はどうでしょうか。あなたが、子育てがとってもつらくって、つい、「もう、子育てなんかやめた!あんな子、顔も見たくない!」と言ったとします。その言葉に共感した相手の人が、「そうだよねえ。あんな子、顔も見たくないよねえ。わかった。じゃあ、明日、相談機関へ行って、もらい手を探してくる」と言ったとしたらどうでしょうか。「ちょっと待ってよ!」ですね。

あなたが言いたかったことは、なにも本気で「子育てをやめたい」というのではなく、「『子育てなんかやめた』『あんな子、顔も見たくない』なんて言い方をしたくなるぐらい、つらい気持ちになっている」ということですよね。つまり、本当に受けとめてほしかったのは、表面的な言葉ではなく、「つらさでいっぱい…」という隠されたメッセージの方ではないでしょうか。子どもだって同じ。特に子どもは、表現が未熟なので、つらさでいっぱいになったとき、本当に言いたいこととは別の、激しい表現になったりすることが多いのです。

相談室に訪れたある子どもは、「ママなんかぶっ殺してやる!今日帰ったら、包丁で刺してやる!」と怒り狂って暴れていましたが、「ママは○○ちゃんのこと、大好きだよ」と慰めていくうちに、急に、「ママ〜!」と可愛く泣き出したと思うと、お母さんにしがみつき、そのまま寝てしまいました。お母さんの話によると、赤ちゃんの頃から、甘えベタだったとか。「ママ、大嫌い!」という言葉の裏に、「ママ、大好き!」というメッセージが隠されていたのですね。

ご相談のお子さんの場合も、「〇〇ちゃんが嫌いなのね〜」「殴ってやりたいね〜」なんて慰めてあげても、ちっともスッキリしないはず。共感してもらいたいのは、そういう表面的な言葉ではなく、その裏に隠された気持ちの方なのでしょう。本当は、「仲良くできなくて、悔しい!」「大好きだから、もっと楽しく遊びたいのに!」… かな?どんな子どもの心の中にも、ちゃんとした切実な気持ちが、必ず隠れているはずですよ。

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