「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

020.「ごめんなさい」が言えません

すずらんさんからの相談 3歳2ヶ月の男の子

1男児の母です。息子が謝れないことが気になっています。言葉はかなりしっかりしていますし、大抵のことは話し理解しています。「ありがとう」や挨拶もちゃんとするし、復唱もできるのに、「ごめんなさい」だけはどうしても言いません。もともと頑固なので、何か引っかかるのだろうとは思うのですが、それが何かわかりません。他の子とも遊ぶことがあります。このまま謝れないことをなあなあにするのは躾上よくないと思うのですが、どうなのでしょうか。

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ぴっかりさんからのアドバイス

うちの上の娘も、「ごめんなさい」が言えない子どもでした。夕食の時間になってもぐずぐず遊んでいて、「いい加減にしなさい!」としかられると、部屋のスミに行ってイジイジ。もう一発おこられて、親子共々むっとしたままの食事。いつもこんな感じでした。

下の娘は正反対。しかられると、すぐに悲しそうな顔になり、飛びついてきました。はっきり言葉で言うわけではないのですが、全身で「ゴメンナサ〜イ!」を表現するのです。「わかったらいいよ」と抱きしめるとおいおい泣き出し、しばらくヨシヨシしてあげているとすぐに機嫌が直ります。そのあとはニッコリ楽しい食事。トクな性格だなあと、うらやましくなりました。

「ごめんなさい」がなかなか言えないのは、ある意味しっかりとした感じのする子どもに多いようですね。悪い言い方をすれば、なんだか大人びていて子どもらしくない、かわいげのないようなタイプかな。こういう子どもって、緊張しやすかったり甘え下手だったりしますよね。

ところで、「ごめんなさい」を言う時の心のメカニズムは、大人と子どもではずいぶん違うのではないでしょうか。大人の場合は自我が発達していますから、心から悪いと思っていないような場合でも、相手との関係を考えていちおう謝っておくという芸当ができます。ところが、自我が未熟な子どもの場合は、気持ちと表現の間に線を引くことができないのです。だから、子どもが「ごめんなさい」を言う時は、心の扉を全開にし、自分の心の一番弱い部分を相手にさらけだすことになるのです。

野生の動物が負けを認めた時は、仰向けに寝ころんで、自分の一番弱い部分であるノド元を相手に見せる、という話を聞いたことがあります。さらしたノドを相手にガブリとやられれば、一巻の終わり。だから、この行動は「ごめんなさい。私が悪かったです。どうぞ煮るなり焼くなり、好きにしていただいてかまいません」という意味なのでしょうね。ちょっと大げさな例えかもしれませんが、緊張しやすい子どもが「ごめんなさい」を言う時は、これと同じような気持ちになってしまうようです。

「心の弱い部分をさらけ出しても大丈夫。ちゃんと受け止めてもらえるはず」という安心感がもてない子どもが守りに入ってしまうため、「ごめんなさい」が言えず、意固地になるみたいです。「相手に身をゆだねても大丈夫」という感覚は、赤ちゃんがお母さんに抱っこされている感覚と似ています。その意味では、「大人になるためのしつけ」の中ではなく、むしろ、「赤ちゃんのようにお母さんに甘える」中で、素直な表現が伸びていくのではないでしょうか。

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