「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

232.いくら言っても挨拶ができないので困っています。

びんつさんからの相談 4歳6カ月・男の子

まだ幼稚園には行っていませんが、挨拶ができなくて困っています。
人の顔を見ようとせず、「バイバイして」と促すと、無関心な顔をして後ろ手にちょこっと振る程度です。現在2年近く通っているプレ幼稚園の先生にすら、
きちんと挨拶ができません。また謝る事もできず、相手が謝った時には、それをけ入れません。「ありがとう」は何とか小さな声で言えますが、これは私が「言わないともらえないよ」と脅すからです。
3歳になるまでは人見知りの時期もありましたが、慣れた人には挨拶も何とかでき、お礼も素直に言えました。さすがに4歳になると周りのお友達もちゃんと挨拶ができるようになり、「こんにちは」と言っても無視したり、仲間はずれにする子も出てきました。
2歳4カ月の娘がいますが、「ありがとう」「ごめんなさい」「さようなら」はきちんと言えるので余計に気になりますし、周囲もついつい下の子を可愛がります。「一緒に言ってみよう」と提案したり、「言えないといつまでも幼稚園に行けないよ」と脅してみたりお願いしてみたりしますが、一向に改善されず、むしろひどくなっているような気もします。言わないと私もだんだん怒りモードになり、「ママのお願いを聞いてくれないなら、○○のいうこともママきかないよ」という態度になってしまい、後で反省します。何かよい方法はないでしょうか。

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ぴっかりさんからのアドバイス

言葉の成長の順番

最低限のしつけとして、挨拶は大切ですね。なによりニッコリと笑顔で挨拶ができる子は、それだけで好印象。周りの人からも可愛がられるのでおトクです。ただ言葉の成長には順番があるので、そのことは配慮してあげる必要があります。
挨拶が「礼儀の言葉」「形を整える言葉」だとすると、言葉の成長の順としては、後の方に位置するのではないでしょうか。なぜなら子どもにとってまず先に必要なのは「自己表現」、つまりホンネの気持ちを表す言葉だからです。
もっとも、子どもにしてみれば挨拶は「親愛の情を示す表現」、つまり「大好き!」の表現の一種かもしれません。もしそうだとしても、「大好き!」の表現の前に別の感情表現を習得する必要がある場合があるのです。

対人緊張が強い子

相談のお子さんは“無礼な子ども”というわけではなく、頭では「挨拶をした方がいい」ということは分かっているのではないでしょうか。しかし対人緊張が強いので、恥ずかしさでいっぱいになり、理性的な行動がとれなくなってしまうのだと思います。
繊細で感受性の強い子どもの中には、極端にバイバイができない子がいます。相手の顔を見たり別れを惜しんでいると、悲しくて泣きそうになるので、泣くことを避けるために無関心を装って我慢しようとするのです。
こういったケースでは、まず先に人に対する緊張や不安を解消していく必要があります。そのためのポイントは、まずはホンネの気持ちの表現を励ましていくこと。特に「こわい」「はずかしい」「いやだ」といったマイナス感情の表現が重要です。

ホンネの気持ちの表現を励ます

「以前は挨拶ができていた」ということですが、成長と共に自分の中にあるホンネの気持ち(不安やドキドキ)に気がつき、平気ではいられなくなってきたのでしょう。ということは、下のお子さんも同じ過程をたどる可能性がありますね。
緊張・不安を解消していくには、“泣く”“甘える”“ダダをこねる”といった形で、ホンネの気持ちが表現できるようにしていくことです。まずは生活全般に甘え上手・泣き上手になっていくと、だんだんリラックスできるようになっていくはずです。
また、「ごめんなさい」という表現には相手に身をゆだねるような感覚が伴うもの。ですから甘え上手になってくれば、謝るのも、謝られるのも、恥ずかしそうにしながらもだんだんできるようになっていくはずですよ。

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