「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

196.物をつかんで放そうとしません…

ぴろったさんからの相談 1歳4カ月の男の子

外食に行った時に、お店のフォークなどをつかんで、お店を出るときも放してくれません。お店のものだよと言っても放してくれません。家でも外に行くときに、自分の気に入ったもの、靴べらやハエたたきなどをつかんだまま出かけようとします。他の物と交換してみたり、片付けようね、と元の場所に戻すようにお願いしても、嫌だと言って放しません。無理やり手から離すと大泣きします。それもしつけなのかなとも思うのですが、「無理やりものを奪う」ということを覚えて欲しくないし、少しずつ親の言っていることも分かってきているので、できれば子どもも納得した形で解決してあげたいのですが、どうしたらよいものかと悩みます。

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ぴっかりさんからのアドバイス

赤ちゃんでも話せば分かる

お腹の中の赤ちゃんに話しかけたら、ごそごそと動いた! 赤ちゃんは話が分かるんだ! こんな体験をしたママはけっこういるのでは? 科学的な研究は遅れていますが、「赤ちゃんは話が分かる」と実感している親は多いと思います。

お腹の中の赤ちゃんでさえ話が分かるのだとしたら、ゼロ歳の赤ちゃんはもちろんですね。実際に、授乳やおむつ替えをするとき、赤ちゃんにしっかり声をかけたり説明したりすると、明らかに赤ちゃんの反応が違ってくることに気づくはずです。

ですから、赤ちゃんを預けて外出する時や、予防注射をする時なども、不意打ちのように直面させるのではなく、ちゃんと説明してあげることが大切ですね。たとえストレスになるような出来事でも、心の準備ができていると、ずいぶん違うものです。

理解と行動は別

ただ、「ママは大切な用事があるから、パパとお留守番していてね」と事情を伝えても、ママ!ママ!と泣いて離れようとしないことがあります。たとえ事情を理解したとしても、子どもからすると、寂しいものは寂しい!ですからね。

注射だって、それが健康のために必要だと理解しても、やっぱり、怖いものは怖い!ですから、泣いたり暴れたりはします。頭で事情を理解することと、素直にそれを受け入れて行動することは、別問題なのです。

小さな子どもは、たとえ頭では理解しても、気持ちの自己コントロールが未熟。ですから言葉のやりとりだけで、子どもの心の中に起きた“感情の嵐”や、それに伴う“衝動的な体の動き”が収まることを期待するのは無理です。

体を押さえて助けてあげる

ですから、言葉での説得だけにこだわるのではなく、「ママから離れられない時は、パパが引き離してあげる」「注射で暴れるときは、押さえてあげる」というふうに、体のやりとりで応援してもらったほうが、子どもも楽なのです。

ご相談の件でも、説明しても放せないのだとしたら、親の力で引き離してあげてよいのではないでしょうか。嫌だと言ったり、大泣きしたりするのは、ストレスを発散しているのですから、許してあげてくださいね。

説得や話し合いだけにこだわるより、「ヤダヤダ言いながらでいいから、泣きながらでいいから、お兄さんらしく行動できるようにしていこうね」という接し方のほうが、子どもの理性は育っていきやすいのです。

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