「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

197.言葉の遅れ、早めの受診が必要?

ボンさんからの相談 1歳7カ月の女の子

発育の遅れに関しての質問です。歩き出したのは1歳6カ月を過ぎてからでした。今では、ヨチヨチ歩く回数が徐々に増えてきましたが、まだハイハイの頻度の方が高いです。言葉もパパ、ママというぐらいで、あとは意味不明です。1カ月の早産、低出生体重児であったこともあり、ある程度の遅れは覚悟していたのですが、先日、1歳半健診で発語の遅れを指摘され、少し心配になりました。「2歳まで様子を見てください」とのことでしたが、早めに受診等したほうがいいのかとも考えています。何かアドバイスをお願いいたします。

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ぴっかりさんからのアドバイス

言葉の発達の診断とは

たとえば子どもが熱を出し、「ただの風邪ではなくて、ひょっとしてインフルエンザ?」と心配だったら、お医者さんに診てもらいますね。すると、インフルエンザかどうかを判定してもらえるし、もしインフルエンザなら治す処置をしてもらえます。

ところが言葉の発達の相談(受診)は、それとは大きく違う点があります。もし受診をすることによって、何かの病気が見つかり、それが発達の遅れをともなうものだとしたら、ある意味はっきりします。では、特に何も見つからなかった場合は大丈夫なのかというと、そういうわけではないのです。

というのも、発達に遅れがあるお子さんのほとんどは、医学的な診察ではなにも異常は見つからず、はっきりとした原因もわかりません。つまり、「この先、どうなるか?」は、専門家にも予測がつきにくい場合がほとんどです。

「様子を見てください」の意味

今後、「ある時期を境に、一気に言葉が増えてきた」となるかもしれないし「やはりどんどん差が広がってきて、遅れがはっきりしてきた」となるかもしれません。年齢が上がって、他の子との差がはっきりした時点で専門家は、“言語発達遅滞”という診断を下すのです。

ですから、「○○歳までは、様子を見ましょう」というのは、「はっきりと差がつく年齢までは、なんとも言えない」ということです。自閉症やADHDといった発達障害の場合も同様で、年齢が上がり、発達障害児特有の行動パターンが出そろったところで、はっきりとした判定が下る場合が多いのです。

今、できることを

親としては、「指をくわえて見守る」のではなく、「それまで、どんなふうに接していけばよいのか?」ということが知りたいですね。ただ、この種の質問に対して、納得のいくアドバイスが返ってこないかもしれません。というのも、判定の専門家は、必ずしも療育の専門家とは限らないからです。

だとしたら、今必要なのは、的確なアドバイスをくれる“療育の専門家”のもとを訪れることですね。過ぎ去ったことを悔やんだり、先のことを思いわずらったりするより、その時間を、目の前のわが子としっかりと関わることに使いたいものです。

宣伝になって恐縮ですが、私の著書『ちょっと気になる子の育て方』(学陽書房)もぜひ参考にしてみてください。家庭で今日からできる「言葉を伸ばす接し方のコツ」がいろいろ載っていますので。

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