「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

201.困ったことがあっても泣いているだけ

やえこさんからの相談 4歳10カ月の男の子

5歳になる男の子です。話すのが得意ではなく、幼稚園でもあまり輪に入っていけません。気持ちを伝えるのも、どう言ったらわからないのでしょうか、妹が上に乗ってきて重くて動けない時も泣いているだけ。「重かったら『上に乗らないで! やめて!』って言えばいいんだよ」と教えていますが、教えたときは何とか言っていますが、また妹に乗られて泣いているので、「何て言えばいいの?」と聞くと「わからない」と言って泣いています。時々、悲しいのに笑っている時があるように思えます。気持ちを素直に出せない状況にしてしまったのでしょうか。それとも言葉の発達が遅れているのでしょうか。私がいろんなことにきつく言い過ぎたり、時には手を上げたりしてきたことが出ているのでしょうか? 今までにも、吃音やチックと言った症状も3歳ごろに出ています(もう治っていますが)。妹にもいつも泣かされたり、すぐ些細なことでも泣いている息子。いまだにお昼でもおしっこを漏らしている息子。とても心配です。

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ぴっかりさんからのアドバイス

「泣くこと」は、言葉の第一歩

言葉が発達していくためには、「パパやママに、自分の気持ちを伝えたい!」という“コミュニケーション意欲”が必要です。そういう気持ちを強くもっているからこそ、必死で言葉を話そうと努力するのです。

もっとも初期の段階では、言葉以外のコミュニケーション(表情や身振りによる気持ちの表現)が重要です。そういう意味で、「泣いて、パパやママを呼ぶ」という行為は、“言葉への道”の大切な第一歩と言えるでしょう。

“コミュニケーション意欲”がしっかりと育っている子と、そうでない子とでは、泣き方に違いがあります。前者の場合は、親に視線を送りながら、泣きたい気持ちをアピールしてきます。後者の場合は、親へのアピール度が少なく、泣きたい気持ちはただ空中にまき散らされているだけです。

言葉が育っていく順序

言葉の発達が遅れがちな子は、「親や周囲の大人に向かって、助けを求めようとしない」という特徴があります。「助けを求める」という最も切実な表現さえしようとしないのだとしたら、他の表現はなおさら出てきにくくなってしまいます。

友だちや兄弟に向かっての表現よりも、まずは大人に向かっての表現を。言葉による表現よりも、まずは言葉以外の表現(表情や身振りによる表現)を。楽しい気持ちの表現よりも、まずは助けを求める表現を励ましていく方が効果的です。

自立よりも、甘えを優先に

妹に乗られた時は、妹に対する言い方を教えるより、泣いて親に助けを求めることを励ましていくほうがいいですね。幼稚園で友達の輪の中に入っていけないときも、まずは先生に助けを求められるようになるといいのです。

お昼でもおしっこを漏らしてしまうのも、「おしっこに行きたい」という要求を出せないでいるからだと思います。これも、「助けを求められない」ことと似ている面がありますね。

自立を促すために自力解決させようと無理をすると、ますます自信を失ってしまいます。まずは、「泣いて助けを求める」という甘えを受け止めていった方が、結果的には自立の足取りもしっかりしてくるはずですよ。泣くことを否定されたら、笑うしかありませんから。

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