「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

226.以前は活発で自己主張が激しいタイプだったのに、今では泣き虫に…

あつみさんからの相談 5歳11カ月・男の子

年長の男児のことです。活発で自己主張が激しいタイプの子でしたが、年中くらいから少し様子が変わりました。年少のころは嫌なことがあれば行動で示したり(叩く・怒鳴る・など)していましたが、年中頃より、ただ泣いて終わってしまうようになりました。
叩いたりなど暴力での解決は良くないと思うのですが、言葉に言い換えられるようになれれば、と頭ごなしに叱ったりせず、悔しいわが子の気持ちを汲みつつ「言葉で言えたらよかったね」と話してきましたが…。泣いて終わってしまうので、年長になってからは先生にはよく泣くことを指摘され、今は嫌なことを言われると(チビ、などのからかい)、泣くに泣けず我慢してうつむいてしまうようになりました。先生には「少しくらいの嫌なことには、我慢できるようになった」と褒められたのですが、何か間違ったほうに行っているように感じます。
嫌なことは嫌と言葉で表現できるようになってほしいのですが、先生に対して、また息子に対してどのように関わっていったらいいのでしょうか。

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ぴっかりさんからのアドバイス

成長と見るか? 後退と見るか?

少し激しすぎる傾向はあったけど、しっかりと自己主張できていたお子さん。それがある時期を境に泣いて終わってしまい、嫌なことも嫌と言えなくなってしまった。自己主張の力を取り戻すには、どうすれば?というお悩みですね。
ところが幼稚園の先生は、以前のお子さんの行動について「自己主張ができる」というプラスの見方ではなく、「我慢がきかない」というマイナスの見方をしていたようです。どう考えていけばよいのでしょうか?

自己表現って、なんだろう

嫌なことを「イヤ!」と言える自己表現の力は大切です。しかしそういった力は急に身につくわけではありません。自我の力が弱いうちは、友だちに直接表現するよりまずはママや先生のところに助けを求めにいくものです。
信頼している大人に向かって、泣いたり怒ったりして自分の気持ちを表現できるということは、とても大切な第1ステップ。でもこういったことができない
タイプのお子さんは、「無理な自力解決」に走ってしまうことがあるのです。
以前のお子さんの叩く・怒鳴るといった行動は、無理な自力解決の一種だったので、通常の自己主張とは違い、妙にエスカレートしやすく「当たり前の我慢ができない」という傾向があったのではないでしょうか?「活発で自己主張が激しい」というのも、本来の個性というより、苦しさの表れだったような気がします。

「感情爆発」から、「感情表現」へ

親や先生に甘えるという「感情表現」ができないで、「感情爆発」を起こしてしまうタイプの子は言葉による表現が伸びにくい面があります。ですから泣けるようになってきたということは、大きな成長だと思います。なので、「泣くに泣けず、うつむいてしまう」という様子はちょっとかわいそうですね。
今の段階では「嫌なことがあったら、親や先生のところに泣いて助けを求めに来る」という自己表現はとても重要。ですから「泣くんじゃない」とか「泣かないで、言い返してごらん」ではなく、「そう、そう、その調子。嫌なことがあったら、イヤだよ〜って泣きに来ていいんだよ」と声をかけてあげるといいでしょう。
そんな対応をしていくとお子さんの中に安心感が生まれ、自信が育ちやすくなります。やがて単なる感情爆発ではなく、適度な感情表現としての「イヤ!」という言葉が自然に出てくるようになると思いますよ。

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