「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

022.友達にたたかれても、やられっぱなしです

みるくさんからの相談 1歳8ヵ月の男の子

1歳8ヵ月の男の子を持つ母です。いつも遊んでいるお友達や、公園で会うだけのお友達にたたかれることがあるのですが、やられっぱなしで泣きもせず、じっとしてしまいます。母にも助けを求めません(本当に嫌なときはお友達に頭つきをしたこともありますが)。

自分から行動をおこすまで、我が子がたたかれているのを見守っているのですが、相手はうちの子が泣きもせず反抗もしないので、ますますたたいてきます。

「『いやだよ』って言うんだよ」と促しますが、効果はありません。時期がくれば、または、このような経験をもっと繰り返せば、わが身を守るようになるのでしょうが、そのために今、母としてどう関わっていくのが適切なのかアドバイスをお願いします。

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ぴっかりさんからのアドバイス

最近ではあまり見かけませんが、以前、「わんぱくでもいい。たくましく育って欲しい」というハムのCMをよくやっていました。お母さんとしては「男の子なのだから、やり返すぐらいの勇気を持ってほしい」と思いますよね。お母さんが助けに入れば簡単ですが、なんとか1人でがんばってほしいので、じっと見守るようにしているのですね。

ただ、このような感じのお子さんの場合、「1人でがんばりすぎているから、なかなか勇気が出てこない」ということもありそうです。

小さい子どもたちの世界では、みんな、人とのつきあい方が未熟なので、とてもストレート。ちょっかいを出し合ったり、ベソをかいたり、そのうちまた仲良くなったり。お互い、そんな試行錯誤をしながら、人との関わり方を学んでいくのです。でも、ストレートなつきあいは、ある意味とてもハード。たたかれたり、おもちゃをとられたり…という緊急事態も起こります。

自分の力ではどうしようもなくて、心の中が不安や恐怖でいっぱいになってしまった時は、子どもが生まれながらに持っている「心の回復のメカニズム」が働き始めます。それは、「ママの所へ逃げてきて、不安や恐怖を泣いて発散する」という行動です。甘え上手な子どもは、お母さんの胸で大泣きし、心がスッキリしたら、またニコニコとお友達と遊び始めるのです。

ところが、「ママの助けは借りないゾ!ボク1人でがんばるもん!」と、無理にがんばろうとする子どもは、めいっぱいの不安や恐怖を抱え込んだままになってしまいます。すると、その場で固まってしまい、やられっぱなしになるしかないのです。

そんなタイプの子どもの場合、1人でがんばらせようとすると逆効果になってしまうのではないでしょうか。むしろ、「お友だちにたたかれたら、ママのところに逃げてきていいよ。エ〜ン、エ〜ンって泣いてもいいよ」と誘ってあげてください。「いざとなったらママに慰めてもらえるんだ」と思うと、かえって勇気が出やすくなるものですから。自力で「イヤ!」と言えるようになるのは、その次の段階ですね。

不安を1人でがまんしてしまうタイプの子どもは、不安と悔しさを、めいっぱい溜め込んだあげく、ドカン!という形でお友だちに怒りをぶつけることがあります。そんな形の「イヤ!」は、相手にケガをさせるような激しさになってしまったりするので、これもかえって困りもの。でも、「ママという安全基地」を活用するようになれば、ほどほどの「イヤ!」を表現できるようになってくるはずですよ。

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