「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

077.アスペルガーのため、集団を怖がります

ななちゃんママさんからの相談 4歳の女の子

娘はアスペルガー症候群です。子どもの集団を怖がるため、母子分離が難しく、幼稚園はノイローゼで1ヶ月半でドクターストップがかかりました。いまは親子で通える習い事に毎日行き、集団に慣らせようとしています。

ところが主人の両親から、母子分離は慣れだから、子供と離れて習い事をさせればいいのではと言います。毎週通う相談所からは、恐怖心をもたせるより自分からいつか離れるまでゆっくり待ってあげてください、と言われています。どうしたらいいのでしょうか。

  • このエントリーをYahoo!ブックマークに追加
  • はてなブックマークに登録はてなブックマークに登録
  • Buzzurlにブックマーク
  • [clip!]
ぴっかりさんからのアドバイス

アスペルガー症候群とは

私も、何人かのアスペルガー症候群のお子さんと付きあいがあります。なにかと戸惑うことが多い子育てだとは思いますが、頑張りすぎず、ぼちぼちいってくださいね。

一般の読者のために説明しておきましょう。アスペルガー症候群は発達障害の一種で、広い意味での自閉症の一つのタイプに分類され、“人と関わるのが苦手”“コミュニケーションが苦手” といった特徴があります。

集団参加に対して不安を持ちやすいので、かんしゃくを起こしてしまうことがあり、「親の育て方が悪いから」とか「わがままな性格だから」と誤解されてしまうことがあります。しかしアスペルガー症候群は“脳機能の微妙な障害”が原因と考えられ、親の養育態度や性格などには関係がないことがわかっています。
※詳細は、下記ページをご参照下さい。
『アスペルガー症候群を知っていますか?』(日本自閉症協会東京都支部HPより)
http://www.autism.jp/l-00.htm

母子分離はゆっくりと

さて、ご相談の“母子分離の進め方”についてですが、アスペルガーのお子さんの子育ては、何もかも健常児とは違う育て方をしていかなければならないというものではなく、 “当たり前の子育て”と同じ感覚で考えてよい側面もたくさんあります。特に、繊細な子ども・恐がりな子ども・緊張が強い子どもに対する子育ての原則を参考にすれば、たくさんヒントが得られるはずです。

“お母さんとなかなか離れられない子ども”に対して、思い切って離してみて慣れさせるという作戦が、功を奏することがあります。しかし多くの場合は、かえって不安や恐怖を抱え込んでしまい、一時的にはうまくいったように見えても、後になって問題が出てくることも多いのです。

ご相談のお子さんの場合、『ノイローゼで1ヶ月半でドクターストップ』ということですから、無理はしない方がよさそうですね。緊張が強い子どもの場合は、親子関係が成熟するまで、普通の子どもより時間がかかるもの。「いつまでも、ママが一緒にいてあげるね」という構えでいた方が安心感が育ちやすく、長い目で見るとかえって自立への足取りもしっかりとしてくるはずです。

お母さんも無理しないで

とはいえ、いつも子どもと一緒で、お母さんのストレスが限界を超えそうになった時には、じょうずに息抜き・手抜きを考えてくださいね。お母さんが無理しすぎないことも、繊細な子どもの子育てのコツですから。

アスペルガーのお子さんは、とてもまじめで一生懸命。子育てがひと山越えると、そんなステキな姿に感動できる日が必ずやってくるはずです。頑張りすぎず、一緒にぼちぼち歩んでいってくださいね。

ぴっかりさんのすくすく道場の最新号がいち早く読める!
メールアドレス 規約に同意して
トラックバック

トラックバックはまだありません。

この記事に対するTrackBackのURL
コメント
  • コメントはまだありません。
name
E-mail
URL
画像のアルファベット
comment