「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

008.息子をどう愛したらいいのかわかりません

kumakumaさんからの相談 2歳0ヶ月の男の子

はじめまして。2歳になったばかりの息子とパパと3人暮らしです。私自身、祖母の元で育てられ、父母の愛情を知らずに育ったせいか、息子をどう愛したらよいか分からないことが多いです。

息子は、二人きりの時は甘えてきますが、パパがいると、パパばかり。眠るときは、向きを変えても、必ず私に背を向けてしまいます。抱っこをせがむくせに、抱っこをすると嫌がります。ずっと嫌われているような気がして、泣かれると、正直イヤになって、冷たく当たってしまいます。

時には、手が出たり、罵声を浴びせてしまったりすることも。本当に息子のことが嫌いだと思ってしまうことも時々あります。でも、寝顔を見ていると、かけがえのないものにも感じられます。

私は父母に捨てられました。そのことから、私には子どもを愛することができないと自分で思いこんでいるのでしょうか。それとも、本当に愛せないのでしょうか。息子がかわいそうです。どうしたらよいのでしょうか。助けて下さい。

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ぴっかりさんからのアドバイス

子育てを始めると、親自身の幼い頃から抱えてきた苦しい気持ちが、再燃してしまうことがあります。私たちの心の中には、理性という“大人の私”と、感情という“小さな子どもの私”、2人の私が住んでいると考えると分かりやすいでしょう。だれしも子育てを始めると、“小さな子どもの私”が抱えてきた寂しさ・苦しさなどが、長い時を経て、再び浮き上がってきてしまう傾向があります。

わが子の気持ちを受けとめようとする時、「ずっと黙ってガマンしてきた私の言い分を、先に聞いてよ!」と、 “小さな子どもの私”が主張し始めるからです。近年、インナーチャイルドやトラウマに関する本がたくさん出版され、こういった心のメカニズムが注目されるようになってきました。

こうしたことに気づき、「私は寂しい気持ちを抱えながらも、一生懸命やってきたのだ!」「私が苦しんできたのは、私自身のせいではなかったのだ!」と心が解放されると、生きていく元気を取り戻すことができます。親から愛されなかったという寂しさを知っているからこそ、家族というもののありがたさ、かけがえのなさが身にしみて感じられる。そういう人もたくさんいるのです。

過去を振り返ることによって、過去からのしがらみから自由になり、現実と向き合う力が出てくるのだったら、過去を振り返る価値はありそうですね。

でも逆に、「親から愛情を受けずに育った人はわが子を愛することができない」とか、「親から虐待を受けた人は、自分の子どもを虐待してしまう」とか・・・。過去を振り返ることによって、よけいに過去に縛られ、現実を生きていく元気が失われていくのなら、過去にはサヨナラする必要があります。

あなたにとって大切なのは、今の生き方を充実させていくこと、未来に向かって歩んでいくことなのです。いつまでも、過去の奴隷になっている必要はありません。そして、今のあなたには、それが可能なのです。

お母さんになつかない子って、意外にも、とっても“お母さん思い”。お母さんがストレスでいっぱいだと、「手をわずらわしてしまうのは悪い」と、お母さんに遠慮してしまうことがあるのです。そんな時は、「子どもを愛してあげなくっちゃ」と焦るより、「子どもに甘えさせてもらう」つもりでいると、親子関係のギクシャクが不思議と解消されていくものですよ。

父母の愛情を知らずに育ったというあなたの生い立ちは、“欠点のある生い立ち”などではありません。逆境にもかかわらず、ここまで一生懸命にやってきた、生き抜いてきたということは、むしろ誇るべきこと。あきらめないでやってきた“栄光の歴史”として、どうぞ胸を張って歩んでいってくださいね。

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