「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

011.出て行くフリをするのは良くありませんか?

くじらさんからの相談 2歳4ヶ月の男の子

主人と私と息子の3人家族です。息子は良く言えば優しい、悪く言えば気が弱いデリケートな性格です。最近、言うことを聞かないとき(ごはんをきちんと食べずに遊びまわったり、着替えをしたがらないときなど)に、「じゃあ、お母さんお出かけしちゃうよ。一人でお留守番しててね」と言うと、とりあえず言うことを聞くので、しょっちゅうこの手を使ってしまいます。私が本当に玄関先まで行って、バイバイと手を振るマネをすると、かなり取り乱して追いかけてきます。

いちばん不安にさせることを『だし』に使うのは追い詰めているようでいけないかな、と思うのですが、息子のような性格の子どもに、このようなやり方で言うことを聞かせるのは避けたほうが良いのでしょうか。

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ぴっかりさんからのアドバイス

ピンポン、ピンポ〜ン!お母さんの直感は大正解!でも、お気持ちはよくわかりますよ。この手の「オドカシ」は、ダダをこねる子どもに対して、効果てきめんですからね。イライラさせられると、禁じ手とわかっていても、つい使いたくなってしまいますよね。

デリケートな性格でなくても、「お母さんは行っちゃうから!」という手を使ってばかりいると、子どもは分離不安(お母さんと離れてしまうかもしれない不安)を抱えやすくなります。分離不安を抱えてしまうと、かえって自立への足取りが重くなってしまうのです。

もっとすねてしまった子どもの場合は、分離不安を抱えながらも、「行っちゃってもいいもん!」という態度をとるようになってしまうことがあります。本当は平気ではなく、不安を抱えたままですので、かんしゃくを起こしやすくなったり、落ち着きがなくなったりと、いろいろ困った様子が出てきてしまったりするのです。

お母さんと子どもは、恋人同士の関係とよく似ています。彼に、「もう、あなたなんかキライ!」とすねてみせたら、「ごめん、ごめん、オレが悪かった!」と言ってくれるかもしれません。でも、あんまりこの手を使っていると、「あいつは本当にオレのことが嫌いなのかも」と思われてしまいますよね。ひょっとしたら、「いいよ、どうせオレなんか!」と自暴自棄になってしまうかもしれません。親子も同じなのです。

もっとも、お母さんにも言い分があることでしょう。「最初に、キライ!という態度を見せたのは、むこう(子ども)のほう!」と。でも、実はお母さんにたてつくことは、子どもが成長していくためにどうしても必要な過程なのです。

気が弱いお子さんだということですので、ひょっとしたら、お友だちに嫌なことをされても、「イヤ!」と言えなかったりするかもしれませんね。そんなお子さんが自己主張の練習を始めたくなったとき、安心できる練習相手として、お母さんを選ぶのです。お母さんにたてつくことで、友だちと渡り合えるだけの自己主張の力をつけていくのです。これが「反抗期」の意味の一つです。

「オドカシ」という必殺技を使うと、早々に試合終了となってしまいますね。でもこれでは、練習の意味がありません。かといって、「はい、はい、あなたの言うとおりにしていいよ」と、お子さんの言いなりになってしまっては、これまたすぐに試合終了で、練習になりません。たしなめたり、おだてたり、叱ったり…という正攻法を繰り出しての試合はグズグズと長引きますが、その間に、子どもは自己主張や自己抑制を学んでいくのです。

もっとも親だって人間。そんな試合につきあう気分になれないことだってありますよね。そんなときは、必殺技を出すのも仕方がないでしょう。でも、また元気が出てきたら、ぼちぼち、練習相手になってあげてくださいね。

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