「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

032.“いい子”すぎて心配です

まーママさんからの相談 0歳8ヶ月の女の子

もうすぐ9ヶ月になる女の子の母です。どの育児書を見ても、『人見知りはお母さんと他人を区別した証拠』『後追いはお母さんが大好きな証拠』などと書かれてあります。

うちの子は人見知りや後追いもせず、1人で機嫌よく遊んでいることがとても多いです。新生児の頃からあまり大泣きすることもなく、まわりからは「いい子だね〜、楽でいいね」と言われますが、正直、不安です。ご近所の赤ちゃんと比べても、物分りがよすぎて(こんな言い方もへんですが)心配です。

「甘え下手なのは私の愛情が足りないせいか?」「サイレントベビーになってしまっているのか?」など、マイナスなことばかり考えてしまいます。

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ぴっかりさんからのアドバイス

前回も書いたように、確かに、“人見知り”“後追い”は、親子関係がしっかりと育っている表れと言えます。“人見知り”“後追い”によって、ママとの一体感を感じ、子どもの心の中に安心感が育っていくことは、言葉や情緒の発達・身辺自立などの大事な基礎なのです。

ただ一方で、個人差が大きいのも事実。“人見知り”“後追い”がひどくて、ママがヘトヘトになるような子どももいれば、あっさりとした性格で、ママがいなくてもわりとへっちゃらに、何の問題もなく育っていく子どももいます。生後半年から1歳半頃のあいだに、“人見知り”“後追い”が出てくる場合が多いのですが、表れる時期がうんと遅い子どももいるのです。

1人で機嫌よく遊んでいることがわりと多いけれど、ママがかまってあげると、それはそれで嬉しそう…という感じだとしたら、今の時点では、特に心配しなくてもよいと思います(ただ、呼んでも振り返らない、語りかけても反応がほとんどないような場合は、聴覚に異常があることも考えられます。気になるようでしたら、一度検査をしてもらったほうが安心かもしれません)。

甘え上手・甘え下手の差は、もともとは、生まれ持った個性によるところが大きいのです。おとなしい赤ちゃん・遠慮がちな赤ちゃんは、あまりお母さんを求めようとしません。お母さんがあやしてあげても、緊張のあまり反応が少なかったりするのです。

ただ、そんな素っ気ない赤ちゃんだと、心から「かわいい!」と思える瞬間が、どうしても少なくなりますね。そうなると、ママが「片思い」状態になってしまい、なかなかわが子への愛情が育ちにくくなってしまうのです。

まーママさん、自信を持って下さいね。お子さんは、ママが大好きだけど、遠慮しているだけなのだと思いますから。本当は、「片思い」なんかじゃないのです。

遠慮がちな赤ちゃんとのつきあい方のコツは、こちらから働きかけてあげること。ママの方からちょっかいを出してあげたり、ベタベタしていってあげる必要があるのです。要求されなくても、体に触ってあげたり、抱っこしてあげたり、“ストーカー”をしてあげるといいですね。

赤ちゃんの心の扉が開いてくると、一時的に、イヤイヤが出てきたり、かんしゃくを起こしたり、泣くことが増えてきたりします。でもこれって、赤ちゃんが遠慮しなくなってきた証拠ですから。恥ずかしがり屋の赤ちゃんは、「イヤダ、イヤダ!」の次に、「ママ大好き!」が出てくるのです。

ただ、ノリの悪い子どもにアタックし続けるのは、相当なエネルギーが必要ですね。ママ1人で背負い込まず、ぜひ周囲の協力を得ながら、子育てしていって下さいね。

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