「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

035.ほとんど毎日、怖い夢を見てうなされます

めだぬきさんからの相談 4歳11ヶ月の女の子

もうすぐ5歳になる娘のことで、相談したいことがあります。我が家の家族構成は、父、母(私)、中学2年の長男(ダウン症)、もうすぐ5歳になる長女、祖母の5人です。

最近、長女がほとんど毎日、眠って30分から1時間すると、大泣きして、「恐いよー、恐いよー」と言って起きます。子供の気持ちを落ち着かせようと、部屋の電気をつけて抱っこしていると、だんだん落ち着いてきて、そのまま寝てしまいます。

ところが次の日、「昨日、恐い夢みたの?」と聞くと、何も覚えていません。保育園でも、お昼寝の時にたまにうなされて泣くことがあるようです。普段からとても緊張する子で、先生と話すとき、目があわせられなかったのですが、少しづつ、自分の主張を恥ずかしがらずに話せるようになってきています。

昼間、とても頑張っている分、夜寝ている時に、自分の気持ちを表現しているのでしょうか?普段どのように接してあげると、本人の気持ちが楽になり、安眠できるようになるのでしょうか?毎日の生活で長男に手がかかり、長女の気持ちに寄り添っていないためなのではないか?と思っています。よろしくお願いします。

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ぴっかりさんからのアドバイス

お子さんの行動は、「夜驚症」に該当するようです。夜驚症は2〜10歳ぐらいのお子さんに見られる症状で、夜中に急に大声をあげて起き出し、何かにおびえたように泣き叫んだりします。声をかけても反応が鈍く、翌朝、尋ねても、その時のことを覚えていなかったりするのです。

ちょっと心配になってしまいますが、夜驚症は脳の異常などではなく、心理的なストレスが原因という説が有力。そのほとんどが一過性で、心の成長と共に、自然に収まってきます。夜驚が起きた時は、無理に起こそうとせず、落ち着くまで、抱いていてあげるとよいでしょう。次の朝に、そのことを話題にすると、かえって不安が増すので、避けた方がよいでしょう。

お医者さんの診察を受けても、ほとんどの場合、お薬の処方はないようです。ただ、ごくまれに、てんかんの一種である、「複雑部分発作」と区別が難しいことがあるので、心配のようなら、小児科か小児神経科で相談してみるとよいでしょう。

夢(無意識)は、私たちの心を助けてくれる側面があります。たとえば、私たちが怖い夢を見た時、何か縁起が悪いような気がしますね。でもそれは、“心の奥に溜め込んだ恐怖心を、吐き出す”という、浄化作用の現われとも言えるのです。夢によって、心のバランスを取ろうとしているのです。

ご相談のケースでは、『毎日の生活で長男に手がかかり、長女の気持ちに寄り添っていないためなのではないか?と思っています』と心配されています。確かに、兄弟に障害児がいるお子さんは、わりと、手がかからないオリコウさんが多いようです。でも、そういうお子さんが、ちゃんとSOSを出してきてくれるということは、むしろ、チャンスととらえた方が良いのではないでしょうか。

SOSは、表現力が高まる成長の節目に出やすいのです。『少しづつ、自分の主張を恥ずかしがらずに話せるようになってきています』という今日この頃。もうすぐ年長組さん、1年後は小学校入学という時期。一回り大きい“お姉さん”への成長の準備として、やり残してきた“甘え”を取り戻そうとしているのではないしょうか。

入学までの1年間は、ちょっぴり、妹さんの方に目を向けてあげて、じゃれ合ったり、甘えさせてあげたりということをしていくとよいでしょう。そんな接し方をしていくと、赤ちゃん返りをしたり、ダダをこねたりということが多くなるかもしれません。

でもそれは、より表現力豊かに、今まで溜め込んできた“寂しさ”を吐き出している証拠。日中、上手に気持ちを発散できるようになると、夜まで気持ちを持ち越すことも減ってくるはずです。

「今まで我慢させてきてしまった…」なんて落ち込まなくてもいいのです。そのかわり、「今まで、協力してきてくれてありがとう。でも、あなたのこともちゃんと見ているよ!」と伝えてあげて下さいね。

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