「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

044.愛情を試されてるのでしょうか?

CUTIEさんからの相談 4歳4ヶ月の女の子

30代夫婦と、4歳の里子の女児との3人家族です。子どもは最近我が家に来ました。

普段、私と2人でいる分には、ずいぶん甘えるし、1日中抱っこもせがみます。私もできる限りそれに応えて、親子としての絆も築けてきたのですが、主人がいると私に対する態度が変わります。「お母ちゃんなんかいなくていい」という態度になるのです。

主人は子煩悩で遊び上手なので、なつくのはよく分かるんです。でも、ひどい時は主人がいると私とは手もつなぎたがらない、お風呂も私とはいや、お父ちゃんと遊んでる時は「来ないで」という態度です。主人がちょっと出かけると、ずっと「お父ちゃんはー?」とかなりしつこく言い続けたり、「このお家はお父ちゃんと○○ちゃんの2人だけがいい」と言うこともあります。

私も精一杯やっているのですが、あまりにぞんざいな態度をされると、「私の何がいけないの??」と思い、ストレスが溜まりそうになります。

こんな態度は毎日ではなく、週末に主人がいる時に多いです。施設で育ち「家族」の概念がなかったので、それもあるかと思いますが、私に命令したり、主人にはしない我がままをしたり。余りにひどいと主人が注意してくれます。

私のことを嫌いな訳でもないようで、施設では好きだと言ってくれていたようです。私としては、この子の真意が知りたいです。それが分かれば、イライラせずに忍耐できると思うのです。愛情を試されてるのでしょうか?ただ単に母親と張り合う時期に突入しているだけなのでしょうか?

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ぴっかりさんからのアドバイス

里子を迎えるということは、本当に子育てがしたくてのことと思います。それなのに、こんな感じでは…。なんだか切ないですね。

私は里親の経験はありませんが、私が運営するホームページ『ぴっかりさんの子育て相談室』は、里親向けのホームページでも、「参考になる」と紹介されているようです。そこでの感想を読ませていただくと、「子どもはみんな同じなんだなあ」と、つくづく感じます。

お母さんが嫌いな子どもなんていません。「お母さんになつかない」という悩みの相談はけっこう多いのですが、子どもの心の奥を探っていくと、本当にお母さんが嫌いな子どもなんて、1人もいませんでした。

本当はお母さんが大好きなくせに、なつこうとしない子どもは、繊細な心を持っている子に多いのです。人に配慮しすぎで、自分を責めてしまうようなタイプの子ども。そういう子が、かえって、お母さんを悲しませるような行動を取ってしまうのです。

どうして、そうなってしまうのか。理由のひとつは、お母さんがストレスいっぱいで苦しそうな場合です。こんなとき、母親思いの子どもは、「ママに負担をかけてはいけない」と、まるで、お母さんがいなくても平気なふりをするのです。

ふたつめの理由としては、自分に自信がない場合。「こんなダメなわたしだから、ママに好きになってもらえるはずはない」と思いこんでしまうのです。お母さんに優しくされればされるほど、「そんなはずはない!」「いつか、『本当は、あんたなんか嫌い』と言われるのじゃないか」というカットウで、苦しくなってしまうのです。

「幸せの絶頂から、どん底に落ちるのはつらい。だったら、最初からどん底にいる方が、まだマシ」と思い、悪い子のフリをするのです。本当は、優しくて良い子なのに。

ご相談のケースの場合は、もう1つ、理由が考えられそうです。どんな事情で、里子になったのかは分かりませんが、たとえ赤ちゃんであっても、 “実母との別れ”の寂しさは感じていたことでしょう。その寂しさを乗り越えるためには、「ママがいなくても、平気だもん!」と意地を張る必要があったのかもしれません。

どうぞ、表面的な“スネ”に惑わされないでください。逃げても、逃げても、お母さんが追いかけてきてくれるのを待っているのですから。でも、堪え忍んでばかりいる必要はないのです。

ひどいワガママを許されてしまうと、かえって子どもはつらくなります。「悪い子のフリをしなくていいんだよ!」と迫ってくれると、本当は嬉しいのです。時には、「『ママ、大好き』って、ホンネを言ってごらん!」と、お母さんの本気をぶつけてもいいのです。

どうぞ自信をもって、お子さんに向き合っていって下さい。遅くとも半年もすれば、お子さんの本心が分かってくるはずですから。その日が来るのを、楽しみにしていてくださいね。

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