「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

052.息子の頭打ちが心配です

雅君のかあさんからの相談 1歳7ヶ月の男の子

夫と1歳7ヶ月の息子と3人で暮らしております。息子の頭打ちが心配です。気に入らないことがあると、壁やフローリングに頭を打ち付けます。体が大きく(12キロぐらい)、力も強いので、打ち付ける反動も強くあわてて布団の上などに移動させたりするのですが、自分でわざと痛く感じるようなところで頭を打ちつけます。

気に入らないことというのも、お菓子を渡す時に包みをあけて渡したことに腹を立てたり、エレベーターに乗ったら先に同じくらいの年の子供が乗っていたことだったり。

5月初旬まで母乳をしっかり飲ませていたのを断乳したのですが、それ以降、激しくなったような気もします。

8ヶ月くらいのときも頭打ちをしていたことがあります。母乳マッサージをしてもらっていた助産士さんに「気を引こうとしているのかもしれないので、あまり構わないように…」と言われ、さりげなく過ごしていたら収まったのですが、今回はそういう訳にはいかないように思います。

おでこはあざになり、先日はちょっと目を離したら鼻血を出してしまいました。今はすぐに頭をかばうようにしています。長期戦になるような気がしますが、どうぞよろしくお願いします。

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ぴっかりさんからのアドバイス

少しぐらいならまだしも、ケガまでしてしまう状況では、 “構わないようにする”というわけにもいきませんよね。

“頭打ち”は、どちらかというと、甘えベタの子どもに多いようです。8ヶ月ぐらいといえば、人見知りや後追いが一時的にひどくなる時期。こういった行動を通して、子どもはママとの心のつながりを強めていきます。いわば、ママへのラブコール。

ところが、甘えベタの子どもは、まともにラブコールをする自信が持てず、頭打ちという間接的な表現方法で、ママの気を引こうとするのです。

頭打ち以外にも、自分の髪や眉毛を引き抜く、血が出るぐらいのツメ噛み…といったように、自分で自分の体を傷つけるような行動の裏には、「どうせボクなんか」「ボクのバカバカ!」という感じの、自分に対する自信のなさと、悔しさが隠れています。

こんなスネスネちゃんの場合、断乳の意味を誤解して、「ママはボクが嫌いだから、おっぱいをくれなくなったんだ」と思いこんでしまうことがあります。本当は、おっぱいとのバイバイが寂しいくせに、「ふん!いいもん!」という感じで、平気なフリをすることも多いので、わかりにくいのですが。

『お菓子を渡す時に、包みをあけて渡した』ことは、赤ちゃん扱いされたみたいで、悔しかったのでしょう。『エレベーターに乗ったら、先に同じくらいの年の子供が乗っていた』のは、先を越されてバカにされたみたいな気持ちになったのでしょうね。

こんな時、甘え上手な子どもは、頭打ちをする代わりに、ママに悔しさをぶつけてきます。ママの胸に飛び込んできて、泣きじゃくったり。自分への悔しさを、「ママのバカ!」と、ママのせいにしたり。

持て余す自分自身の気持ちを、ママにぶつけることよって、落ち着きを取り戻そうとするのです。でも、甘えベタの子どもは、ママに手伝ってもらわないで、自分だけで何とかしようとします。それが、頭打ちという行動なのです。

対処法としては、頭打ちを始めたら、しっかり抱きしめてあげてください。抱っこすると、ママの手の中で暴れ出したり、泣き出したりするかもしれません。でもそれは、上手な気持ちの発散のしかたですから、「いいよ、その調子!ママが、いっぱいイヤダイヤダ聞いてあげるからね」と声をかけながら、落ち着くまで抱いていてあげて下さいね。

ふだんの生活の中では、じゃれ合い遊びに誘うなど、ママの方から甘えを促してあげるとよいでしょう。こんな接し方をしていると、だんだん、泣き虫さん・甘えん坊さんになってくるはず。それとともに、頭打ちも少なくなっていくはずですよ。

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