「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

056.「ママきらい」と言います

くまさんからの相談 2歳7ヶ月の男の子

はじめまして。子育てに悩んでいて色んなことを調べるうち、ぴっかりさんにたどり着きました。すぐに著書を購入し読ませて頂きました。ひとつハッとさせられたのが「ママのばか」は「大好き」のこと、ということでした。

うちの子は「ばか」とは言わないのですが(多分単語自体をしらない)、最近、よく「ママ嫌い」と言うのです。私は言葉を真に受けて「じゃ、ママも○○くんキライ」なんて大人気なく言い返していたんです。

きっと「ママ嫌い」も「大好き」ってことなのね!と思い、息子が「ママ嫌い」と言ったときに「ママは大好き!」と返したら、火がついたように「ママ嫌い」の連呼…。数十回言っていました。そして主人に抱っこしてもらい、私から逃げるのです。追いかけて「ママは○○くん大好き」と言えば言うほど荒れまくり、来るなとばかりに手を振り回し、その手が夫にあたって「お前のことがホントに嫌いなんだからこっちにくるな!」と言われてしまいました。

また、何かをしたがった時に「○○くん、これしたかったよね。ママもやりたかったな」と共感しても「ママ、だめ!」と嫌がります。普段は甘えてきてもくれますが、好かれているのか嫌われているのかわからなくなってしまいました。

あんなに嫌がられても「好き!好き!」と言い続けたほうがいいのでしょうか?教えてください。

家は主人と私と息子の3人家族です。私はフルタイムで働いていて、息子は4ヶ月から保育園に通っています。最近、保育園でも自分勝手な行動が目立ち困っています。

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ぴっかりさんからのアドバイス

「ママのバカ!」のホンネは、「ママ、大好き!」というのは、私の著書『お母さんの抱っこでよい子に育つ』の中にあるお話のひとつですね。

反抗期のダダこねは、自立に向かう表現力を高めていくのに必要な行動です。しかし、ママがいないと生きていけないはずの子どもが、ママにたてつくのは、ある意味、自分の首を絞めるようなもの。

これは、「ママはボクを見捨てたりしないはず」という安心感がもてるママだからこそ、つまり、本当は「ママが大好き」だからこそ、平気で失礼なことが言えるのです。

ところが、子育てに自信がもてないでやってきたママは、この「ママのバカ」を真に受けてしまいがち。でも子どもの心の中の、自立に向けたカットウの時期が過ぎると、自然に素直さが戻ってくるもの。だから、「わが子に嫌われた!」なんて真剣に悩まなくていいのです。

あるママは、子どもが「ママ嫌い!」と言った時、「ママ大好き!」と言い返したら、楽しいダダこね遊びになって、おもしろかったとか。「ムキになる顔がかわいいなあ」と思いながら付き合っていると、子どももそのうち笑い始めたそうです。

「ママ大好き!」と言い返すと、子どもが妙にムキになるのは、その言葉が大当たりだからですね。でも場合によっては、“当たっているだけに、キツイ”ということがあります。だから刺激が強すぎて、かえって険悪な雰囲気になるようなら、ほどほどにしておいた方がよさそうです。

たとえば、小さな子ども同士は、ちょっかいの出しあいで、「なにするんだよ〜!」とか言いながらでも、けっこう嬉しそうだったりします。でも、タイミングが悪かったり、度が過ぎたりしてしまうと、ケンカになってしまいますよね。じゃれあいとイジワルは、紙一重。親子の場合だって、「こういうふうに遊べばよい」という模範はなく、一緒に楽しめるような方向性を、その時その時で探っていくしかないのです。でもそれこそが、“一緒に生きていく”ということの醍醐味でもあるのですが。

お母さんへの未練を断ち切り、自立への道を歩むために、子どもは、「くっついていたいけど、旅立たなくては」「旅立ちの時だけど、くっついていたい」… というカットウを繰り返します。つまり、ある意味、「好き」も「嫌い」も、どちらも本当の気持ちなのです。

ママとして、「そんな宙ぶらりんはいやだ。好きか嫌いか、どっちかに決めてほしい!」という気持ちが抑えられないとしたら、わが子の“小さな旅立ち”に、寂しくなってきたのかもしれませんね。

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