「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

058.お世話をさせてくれません

ちえぞぉさんからの相談 2歳10ヶ月の女の子

両親と本人の3人家族です。私(母親)が手術を要する大ケガをしてしまい、2ヶ月間入院していました。入院するまで昼間は2人で過ごしていましたが、入院中、昼間は保育園に預けられ、それ以外は父親との生活でした。新居に引っ越す1週間前にケガをしたため、保育園と新居の両方に母親なしで慣れなくてはいけなかったのはとてもつらかったと思っています。毎日、顔を見に病院まで来てくれていましたが、さびしいのにそれを隠しているようで心が痛みました。

退院して1ヶ月が経ちましたが、身の回りの世話をさせてもらえません。2人だけの時は着替えもオムツもトイレも私とできるのですが、父親がいると「おとうちゃんにやってもらう」と言います。「おとうちゃんは今忙しいから、かあちゃんがやってあげる」と言っても、「とうちゃんに(やってほしい)!」と言います。無理にやろうとすると叫びながら暴れます。昼間は保育園に預けているので、朝の忙しい時にこの状態になると途方に暮れます。以前から“父ちゃん子”でしたが、今の状態はもっとすごいです。私も回復しましたので、母親としても社会復帰したいのですが…。子供から見るとまだまだ頼りないのでしょうか??

子供は、「何年も前から通っているみたい」と言われるほど保育園に馴染んで、楽しく過ごしているようです。保育士の先生にも「かあちゃん、あんよ治ったからおうちにいるの」とうれしそうに話しているようなんですが…。家と保育園とのギャップが激しくて戸惑っています。

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ぴっかりさんからのアドバイス

小さな子どもにとって、引っ越しで環境が変わることは、大人が考える以上に大きな不安が伴うものです。そのうえママが急に入院して、保育園へ預けられたとすれば、お子さんの心の緊張は相当なものだったことでしょう。

こんな時、子どもはダダこね・かんしゃく・甘えがひどくなったり、ベソベソ泣くことが多くなったりするものです。それは、心に溜まった不安を解消する“癒しのメカニズム”が働いている証拠。子どもは、泣いたり、甘えたり、ダダをこねたりすることによって、心に溜まったマイナス感情を吐き出すのです。

でも、相談のお子さんは、『毎日顔を見に病院まで来てくれていましたが、さびしいのにそれを隠しているようで』ということですから、平気なフリをしてガマンしていたのでしょうね。留守中もオリコウサンで、パパを困らせることもなかったのかもしれません。

こういうお子さんは、とっても“ママ思い”なのです。きっと、「ママが大変だから、私は頑張るゾ!」と、寂しいのにガマンしていたのでしょう。

でも、無理にガマンをしてしまうと、かえって不安を抱え込んだままになりやすいのです。そのうえ、「ママがいなくても、平気だもん!」という思いが、だんだんスネに変わり、意固地になってしまうことがあるのです。

きっとママに心を許してしまうと、ため込んできた寂しさや不安が、ドッとあふれてきそうになるのでしょう。だから、平気なフリを続けるためには、ママに近づかれると困るのでしょう。

どうぞお子さんを抱きしめてあげてください。そして、今までの不安や寂しさを、いっぱい慰めてあげて下さい。

きっとお子さんは、大暴れするでしょう。でも、「はなせ、はなせ!」と怒るのは、「私の隠している気持ちに、ふれないで!」というスネなのです。だから、「はなさないよ! ママはもう、ずっと一緒だよ!」と、抱きしめ続けてあげてください。そして、「ママはもう大丈夫だからね。寂しかったよ〜って言ってもいいんだよ」と、ママの気持ちを、とことん伝えてあげてください。

暴れるだけ暴れ、泣くだけ泣いた後、お子さんは眠ってしまうかもしれません。でも、そのあと、きっと何かが変わるはずです。ちょっとしたことでベソをかいたり、甘えたり…。場合によっては、保育園に行くつらさを訴えるようになるかもしれません。でもこれは、今までガマンしていた気持ちを吐きだしているだけなのです。

どうかママは自信を持って、お子さんの本心を信じて、抱きしめてあげてくださいね。

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