「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

099.“死”を怖がる息子に、どう説明してあげたらよいでしょうか

キャンディさんからの相談 4歳9ヶ月の男の子

最近、息子が死をとても怖がっているようです。考えられる原因としては、私の母が既に他界しているので、たびたび墓参りに連れていくことと、幼稚園で動物についての学習に取り組んでいることです。
動物に興味を持った息子は、ここのところずっと、アフリカの動物シリーズの本を借りて来ています。そこには、“食う、食われる”の自然界の様子がかなりリアルに書かれています。
年齢的にも“死”という意味が分かってくる頃だと思うので、彼自身が乗り越えていく問題なのかとも思いつつ、ときおり思い出したように「ママは僕よりも先に終わっちゃうの?先に死なないで」と言いながらボロボロと涙を流します。なんと言ってあげていいのか、いい言葉が見つからずにいます。

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ぴっかりさんからのアドバイス

死を恐れるのは“成長の節目”?

小さな子どもは、大人が答えに困るような言葉を投げかけてくることがありますね。「先に死なないで!」という訴えに、「物事には順番があってね、ママが先に逝ってしまうのは自然の摂理なんだよ」と答えるのも酷な気がするし…。

お子さんがこんな気持ちになったのは、ママが考えているようなことが、原因のひとつになっているのかもしれません。でもそれらは単なるきっかけで、根本的な原因はもっと深いところにあるのではないかな…と思います。それは、「お子さんは今、成長の節目を迎えている」ということです。

「自分自身の死」と「最愛の人の死」

最近のお子さんの様子を見ると、以前に比べ、ぐんと行動的になったり、頼もしくなってきたと感じられたりする面があるのではないでしょうか。よりお兄さんらしい自分になっていくということは、赤ちゃんみたいな“古い自分”に別れを告げる必要があるのです。

それは言いかえれば“古い自分”が死ぬことによって、“新しい自分”を迎え入れる作業。このような死のイメージは、“自分自身の死”という不安になって表れることもあれば、“最愛の人の死”という不安として湧き起こってくることもあるのです。

もし興味をお持ちなら、『Q&Aこころの子育て―誕生から思春期までの48章』(河合隼雄・著、朝日文庫)を読んでみてください。河合さんは思春期の子どもを例にあげていますが、感受性の強い子どもの場合は、思春期でなくても、成長の節目に似たようなイメージを持つことがあるのではないかと私は思っています。

ママは絶対、先になんか死なないよ

少し前に、こんなテレビCMがありました。結婚式で、新婦が目をキラキラさせながら「ずっと私のことを愛してね」と言うと新郎は「いや、そんな先のことはわからない。人間の気持ちは不変というわけにはいかないから」…もちろん笑い話ですが。

この新婦と同じように、お子さんが求めているのは、事実はどうなのかということではなくて、安心感なのではないでしょうか。だから「ママは絶対、先になんか死なないよ」と抱きしめてあげればいいと思うのです。

ママの胸で泣くだけ泣いた子どもは、きっとスッキリするはず。そして自立への道を一歩ずつ歩み、やがて「ママなんかいなくても平気!」と言いだす日が来るはずですよ。その時になって子離れの寂しさを引きずらないためにも、今は「ママもずっと一緒にいたいよう!」と、せいぜいシアワセを味わってみてはいかがでしょうか。

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