「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

104.「ママ描いて」と言って、自分でお絵かきしようとしません

なつママさんからの相談 2歳8ヶ月の女の子

最近、自分でお絵かきをしなくなりました。1歳の頃から絵を描くことに興味があり、思いつくまま描いたり、私に描いてほしいものをリクエストしたりということを繰り返していました。もちろん子どもが描いた絵には「すごいね、よくできたね」とほめてきました。しかし、最近は「自分はうまく描けないから、ママ描いて」と言い、全くクレヨンを握ろうとしません。描いたとしても薄い線だけで、自信がなさそうです。
同じ年代の子がしっかりクレヨンを持って、力強く描いているのを見ると、ついイライラして「描きなさい!ママはもう描かない!」と声を荒げてしまいます。親のレベルで好きなキャラクターなどを描いてしまい、自信をなくさせてしまったのでしょうか。どのように対処していいのかわかりません。

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ぴっかりさんからのアドバイス

マイブームの波がある

子どもの興味関心には波があるものです。ある時期、スイッチばかりをいじりたがったり、変な物を拾ってくる趣味にはまったり、特定のキャラクターがついた下着しか着ようとしなくなったり…。でもいつの間にか自然に、その熱も冷めていくものです。

相談のお子さんの場合もマイブームが去っただけなのかもしれませんね。興味の対象が他のものに移っただけだとしたら、それを認めてあげてよいのではないでしょうか。また何かの拍子に、お絵描きに対する興味が復活したりするものです。

2歳8ヶ月という年齢

別の可能性としては、2歳8ヶ月という年齢のせいなのかもしれません。この時期は反抗期として知られていますが、それは同時に自立期でもあります。それまでの子どもは、「私はママで、ママは私」という母子一体のような意識です。しかし自立期を迎えると、「ママと私は別の人だ」と気づくようになるのです。

それは自分という存在を、少し客観的に見つめるようになることを意味します。そして自分自身の中に、自立に向かうための新しい力を発見するとともに、「今まで自分の力だと思っていたことは、実はママの力だった」と気づいてしまう面があるのです。

この相反する2つの発見の間で、子どもの気持ちは揺れ動きます。ですからこの時期は、妙にえらそうな態度になったり、急に自信をなくしたりということになるのです。でもそれは、子どもが自分という存在になじんでいく過程ですから、子ども自身の試行錯誤と自己成長力に任せるしかない面があります。

反抗や甘えは成長の一過程

反抗期・自立期ということに関連して、また別の可能性も考えられます。この時期は子どもの中に、「ママから少し距離をとって、自分というオリジナルな存在を作っていきたい」という成長欲求が芽生えてきます。それは同時に、子どもの中にある種の“寂しさ”をもたらすのです。

急に甘えることが増えたり、せっかく1人でできるようになったことを、お母さんにやってもらいたがったり。これは、子どもの心の中でバランスをとり、自立への心の準備をしようとする行為です。下に赤ちゃんが生まれた時、入園や入学の時期などにも同じような行動が出てくることがあります。ですから、“成長の一過程”と考えて、少し長い目で見守っていてよいのではないでしょうか。

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