「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

120.父親不在の環境で子育て。気をつける点は?

シングルママさんからの相談 0歳11ヶ月の男の子

妊娠中に夫が病死し、現在11ヶ月の男の子を育てています。男の子にとって、父親の存在はとても大きいものと思い、不安を抱えています。
私は実家に居候しており、大人7人(私と私の父・母・祖父・祖母・弟・妹)がいる中で子育てをしています。はたから見ると、「お父さん代わりの人がたくさんいていいわね」と言われがちですが、両親は毎日のように口げんかをしますし、弟や妹も、わざと子どもの前で悪い言葉を使ったりします。
私は夫ととても仲が良かったため、「両親がとても仲が良い姿を見せて育てたかった。夫が生きていれば、こんな環境で生活する必要はなかったのに…」とストレスを感じています。しかし経済的事情で独立できず、こうした環境に住まわざるを得ない自分の無力さで落ち込んでいます。父親不在で、しかも家族の仲が悪い環境での育児で気をつけるべき点を教えていただけると大変ありがたいです。

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ぴっかりさんからのアドバイス

ママは十分頑張っている

「生まれてくる赤ちゃんを、夫婦で楽しみに待つ」という幸福の絶頂期に、愛するご主人を亡くされたこと。さらに、大きな悲しみを抱えながらの育児に、心休まる環境が与えられないことで、毎日、苦しい思いで過ごしておられることでしょう。

でも、たとえ経済的事情で独立できなくても、教育上の環境が整えてあげることができなくても、子育てを放棄せずに頑張っておられるというだけで、もう十分、母親としての責任は果たしておられると思いますよ。

赤ちゃんの気持ちは

何もわからないように見える赤ちゃんでも、「ママは、一生懸命ボクを守ろうとしてくれている」ということは、ちゃんと感じ取っているもの。きっと、「ママは無力なんかじゃないよ」と言いたがっているはずです。

今のママは、育児の不安以上に、ひとりぼっちになってしまった寂しさや孤独感が大きいのではないでしょうか。「母親なんだから、しっかりしなくてはいけない」「悲しんでいても、しかたがない」と思って、自分の気持ちを必要以上に押さえ続けていると、かえって心が重くなってしまいます。

でも赤ちゃんは、「ママは1人じゃないよ。ちゃんとボクがついているからね」という気持ちでいるはずですよ。苦しくなったら赤ちゃんを抱きしめて、「ひとりではない」ことを思い出してくださいね。

パパが守ってくれている

男の子にとって必要なのは、「父親」というより「父性」の存在です。ですから、お子さんに父性を与えてくれる人は父親以外にもたくさんいるのです。様々な人との出会いの中で、きっとお子さんは父性を吸収していけるはずです。

「夫さえ生きていれば」と嘆き続け、後ろ向きの生き方をしていると、天国のパパは先立ってしまった申し訳なさでいっぱいになることでしょう。どうぞ、「私たちは大丈夫。安心してね」と言ってあげてくださいね。

そして、「いつもそばで見守っていてね。そして、困った時には助けてね」とお願いしてみてください。いよいよのピンチの時は、必ずパパが助けの手を差しのべてくれるはず。そのことを信じ、胸を張って、“3人”で前向きに歩んでいってくださいね。

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