「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

140.特定の友達にひどく執着するので、心配です…

EMさんからの相談 4歳8ヶ月の男の子

幼稚園で、特定の友だちにひどく執着します。大好きな女の子がいて、とにかくその子の隣でないと泣き叫びます。相手の子も、基本的には仲良くしてくれているようですが、あまりのしつこさに時には「キライ!あっちへ行って!」などとも言われているようです。大きな幼稚園ならクラスを分かれさせてもらうこともできるかと思いますが、1学年1クラスの幼稚園なので、年長までずっと同じクラスです。社交的な子なのですが、友だちに関しては「AちゃんとBくんしか好きじゃない」と言うようなこともあり、心配です。

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ぴっかりさんからのアドバイス

むき出しの個性が表れる時期

小さな子どもって実に個性的ですね。大人にも個性はありますが、子どもの場合は、それがむき出しになっています。それは、まだ理性の力で自分の感情をコントロールすることが苦手だからです。

積極的な子どもは積極的すぎて、消極的な子どもは消極的すぎて、「こんなことでは将来どうなる!?」と頭が痛いママも多いことでしょう。それでも、学年が上がり理性が育っていくにつれて、だんだん目立たなくなっていくものですが。

だからと言って何もせずにほうっておくわけにはいきませんよね。言い聞かせたりアドバイスをしたり、時には叱ったりということは、もちろん必要でしょう。しかし、親の努力だけではどうにもならない場合もあるのです。

時には、挫折も必要

それは、子ども自身が実際の経験を通して学ぶ必要がある時です。特に、友だちとのつきあい方や人との距離のとり方といったことは、自分で試行錯誤をしながら、時には苦い思いをしながら身につけていくものです。

友だちにしつこくしすぎて、ついには嫌われてしまい、ショックを受けることもあるでしょう。親に言われただけでは理解できず、「実際に痛い目にあうことによって、初めて身に染みてわかる」ということが人生では必要な場面もあるのです。

「心の傷を癒す場所」としての家庭

心が傷つかないようにするなら、無菌室の中に入れておくしかありません。どんなに親が努力しても、子どもの心が傷つく場面が出てきます。『きずつくことは、きづくこと』。挫折することによってしか発見できない「人生の真実」もあるのです。

「子どもの心が傷つかないようにする防御壁」という以上に、「心が傷ついた時、その傷を癒す場所」というのが、家庭の大切な役割なのではないでしょうか。ところが、子どもをつまずかせないことにエネルギーを使い果たしてしまうと、挫折した子どもを受け入れる余裕がなくなってしまいます。

何とかわからせようとやっきになりすぎると、子どもが痛い目にあった時「ママの言うことを聞かないからそんなことになるんだ!」と、傷の上塗りをしてしまうことにもなりかねません。

ある程度は子どもの経験にゆだね、いざという時「悲しいねぇ」と傷ついた子どもを慰める余力を残しておいてはいかがでしょうか。ママに受けとめてもらった子どもは必ず立ち直り、自分の行動を冷静に振り返ることができるようになるはずですよ。

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