「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

147.空想上の友だちのことを、本当のように話します

ショコラさんからの相談 4歳5ヶ月の男の子

4歳5ヶ月の息子は、空想の世界にヒーローのような強い友だちがいるらしく、本当にその人物がいるかのように「△△が守ってくれる」「○○はこうやって歩くんだよ」などと話します。「やりたいけど、しちゃいけない!って言われたからボクはやれない」と悲しそうに言ったりもします。その友だちに支配されているようで、多重人格ではと思うこともあります。1年8ヶ月ほど前から外国で暮らしており、言葉がわからない上に幼稚園では一方的に友だちにやられたることも多かったのですが、最近では暴力を振るう子も減って「幼稚園大好き!」と通っています。

穏やかな性格で、ちょっと大人びた発言をします。「人を叩いたり、いじわるしちゃだめだよね。仕返しとかボクはしないよ、そういうのはしたくないもん」などです。「ママ大好き!ママと結婚したいもん」も口癖です。あまりにも口にするので無理しているのでは…と気になっています。

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ぴっかりさんからのアドバイス

子どもの空想の世界

私は医者ではないので、「多重人格」(解離性同一性障害)についての専門的知識はもっていません。しかし多重人格は、本人の人格そのものが入れ替わってしまうのが特徴ですので、それとは違うようですね。

子どもは、大人よりも想像力が豊かです。ただの棒きれが最強の武器に思えたり、手あかにまみれた人形が可愛い赤ちゃんに思えたり。空想と現実の境目があいまいだからこそ遊びに没頭でき、その中で多くのことを学んでいけるのです。

子どもによっては、自分が空想したことをまるで現実のことのように話すことがあります。それが、親が誤解をしてしまうような「うそ」になってしまうと困りますが、ご相談のケースでは、そういった混乱はないようですね。

空想話の裏にあるホンネ

ただ、「慣れない外国暮らしで言葉がわからず、幼稚園では一方的に友だちにやられることも多かった」という経緯があることを思うと、空想のお話を通して、お子さんなりの切実なホンネが見えてくるのではないでしょうか。

「△△が守ってくれる」という話には、「まだ不安や緊張が続いているので、誰かに守ってもらいたくなるような気になるよ。すっかり安心というわけにはいかないんだ」という、お子さんの気持ちが垣間見られる気がします。

「やりたいけど、しちゃいけない!って言われたからボクはやれない」という話からは、「反撃したくなるような悔しいことをされているんだ」という訴えが読み取れそうですね。

ママがいるから安心

以前に比べれば状況は好転したものの、まだお子さんは不安を抱えているのかもしれません。でも、「あまりグチを言うとママが心配してしまう」と思い、「ママ、ボクはもう大丈夫だよ」と安心してもらいたいのでしょう。

ヒーローのような強い友だちの応援を受けながら、不安を乗り越えようとしているのですね。空想のお話は、厳しい現実に立ち向かおうとしているお子さんなりの“努力の表れ”なのだと思います。

「ママ大好き!ママと結婚したいもん」という言葉は、「ボクが頑張れるのも、ママがいてくれるからだよ。ママありがとう!」という気持ちの表れなのではないでしょうか。家でたっぷり甘えさせてもらえるからこそ、幼稚園で頑張れるのですよ。

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