「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

152.嫌なことがあると自分を叩きます

お菓子大好きさんからの相談 3歳0ヶ月の女の子

1歳(男の子)と3歳の(女の子)の母です。最近、娘が、嫌なことがあると自分を叩くようになりました。そのつど「あなたは私の大事な子だから、痛い思いをしてほしくないの」と言い聞かせていますが、直りません。将来リストカッターになってしまうのではないかと心配です。弟がハイハイするようになってから、弟を蹴ったり叩いたりすることがありましたが、最近は怒鳴ることはあっても叩いたりすることはなくなり、ほっとしたところです。ところがその代わりに、私に対して気に入らないことがあると、自分を叩くようになりました。これはどういう心理の表れなのでしょうか?

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ぴっかりさんからのアドバイス

自立期のイライラ

私たちだって、なにか重大な失敗をしてしまった時など「私のバカ!バカ!」と自分を責め、頭を叩きたくなるようなことってありますよね。お子さんもきっと、何か自分を責めたくなるような気持ちがあるのかもしれません。

2〜3歳の自立期には、「もっとかっこよくお姉さん(お兄さん)らしく行動したい」という気持ちが自然に湧いてくるもの。でも実際は、まだまだうまくできないことや、親の手を借りなくてはならないことがたくさんありますね。
そんなわけで、この時期の子どもは、そういう“情けない自分”に対して、「私のバカ!」と責める気持ちが出てきやすいのです。言い分がママに受け入れてもらえない時などは、「どうせ私が悪いんだ」と、自分を責めたくなってしまうのでしょうね。

ダダこねをぶつける先は?

こんな時、甘え上手の子どもの場合は、自分のせいを棚に上げて、「ママのバカ!」と責任をなすりつけてきます。これが反抗期のメカニズムで、責任転嫁は、成長の節目で無力感に陥らないための“生活の知恵”という面があるのです。

赤ちゃんが生まれ、お姉さん(お兄さん)になった子どもは、“甘え”と“自立”の間で揺れる不安や寂しさを、ストレートにママにぶつけてきます。これがダダこねや赤ちゃん返りです。

ところが、ママに対して遠慮してしまう子どもは、気持ちを物に対してぶつけたり、赤ちゃんに向かってぶつけてしまうことがあります。相談のお子さんの場合は、さらに自分自身に対してもイライラをぶつけるようになっているみたいですね。

ママに対する気持ちの表現を励ます

赤ちゃんや自分自身に気持ちをぶつけようとした時は、しっかりと手で止めてあげ、「ママに甘えていいんだよ」「ヤダヤダを聞いてあげるよ」と、ぶつける先を教えてあげてください。甘え上手の子どもがやるように、ママに対して気持ちが表現できるようになったほうが成長の節目を乗り越えやすいのです。

ママを叩こうとしたら、手を押さえ、上手に全身で暴れられるように導いてあげてくださいね。もっとも、より楽な接し方は、お子さんの気持ちが安定している時に、じゃれあい遊びや抱っこ遊びに誘ってあげることです。

相談のようなお子さんは、「ママは赤ちゃんのことで大変だから、私は甘えないように頑張らなくっちゃ」と無理をしすぎている面があります。そうなると、かえってリバウンドが出やすくなるのです。ですから「甘えていいんだよ」と少し誘ってあげるだけでも、ずいぶん気持ちが安定してくるはずですよ。

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